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ポンポさんの映画を観ったぞ~

二度の延期を経て、無事公開されましたねポンポさん。
公開日(6/4)の初回で見てきました。封切り日の初回で映画見るの人生で初めてだあ~~。休職してよかった、ダブルピース!!

ずっと待ってたーー!!というわけでもなく、原作は公開された当時に読んでて、映画が進行してるのは知ってて、時間があれば見たいなあ~くらいの期待値で行きましたので、キャストやオリジナル要素は一切何も調べてないというめっちゃフラットな状態。
でもまあ、たぶん90分なんだろうなとは思った。

ここからネタバレして書きます!!



とにかく画面がかわいい。
画面の色合いとキャラクターデザインが馴染んでいて、ストーリー関係なしに、ただただまずは画面で楽しませる!!という気迫に満ちている印象です。
場面の切り替えやつなぎ方もいろ~んなパターンがあった……。

作中で「監督(ジーンくん)、光にこだわりますよね」というセリフがあるが、そのままこの映画そのものが光にこだわって作ってるよなあ…と冒頭からずーっと思ってました。逆光だったり、影が大胆に落ちたカットが印象的だからかも……
明るい時は存分に明るい。

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髪や肌にハイライト(つや)がなくて、影と線の一部が色トレスで明るい色になってるので光を表現…してるんですけど、線のハイライトはだいたい光源側じゃなくて、影側にあるんですよね。
影とは言っても、ベタッとして終わりというわけではなくその中で際立つ光の表現なのかな…とか色々考えちゃった。かわいいです。

映画を見てから原作を読み返したんですが、ジーンくんのバックグラウンドが掘り下げられていたり(入場特典の描きおろし漫画でさらにジーンくんの偏った生き方しかできない世界の片隅の男っぷりを感じさせてくれました)、編集で苦しむジーンくんが描かれたりと、オリジナルシーンが結構あったんだなあ…と驚きました。

編集で苦しむジーンくん、私は結構好きでした。
原作だとあえて省略されている「行間」ではありますけど、撮ったものを切り捨てていく、繋げる、整えるってどんなに苦しいんだろうな…と…。

映画は1分でも長い方がいいと思ってるタイプのジーンくんですからね。「このままじゃリリーと出会うまでに〇時間かかってしまう」はウワー、ありそう…と思って…。
私もプロットからネーム起こす際にとりあえずざーっとネーム前ネームを描いてみるんですけど、ここからここまでで10ページも使えないよな~~~(てか描きたくないよ…)って切り捨てていくときは本当にめんどくさいし、積み木をぶっ倒すような気持ちです。

ジーンくんの崩さなくてはいけない積み木は自分だけが積み上げたものじゃなくて、大金と大勢の他人によって積み上げてもらったものなんだもんな。辛いよなあ……。


他人といえば撮影に関してスタッフのアイデアを取り入れたりするシーンも増えてましたが、あれも良かった。それによって原作よりジーンくんの責任(スタッフ全員の生活を担う立場なんだということ)が目に見えて際立った感じがする。なんかちょっと…爽やかすぎて照れるけれど…(激照)


原作よりも掘り下げられているところといえば、「作品の中に君はいるのか?」という問いかけですね。
自分から音楽を取ったら何も残らないというダルベール、自分から映画を取ったら何も残らないというジーンくんをリンクさせるのは非常に自然。
漫画でもなんでもやっぱり作品の中に作者はいるし、それこそが作風なんだよねと思いますし。オタクってそういうバックグラウンドを知るのが好きだし。ねえ。

そもそも私、基本的に「創作人賛歌」みたいな作品ってあんまり好きじゃなくて……
たとえば漫画を描くことが大好きでのめり込んでたら寝るのも惜しいくらい!!!!みたいなのを見るとウ…あの…私はそうではありませんが…という後ろめたさがあるから…。
そういう人々へのあこがれがあるし、怖さがあるし、同意できない自分への落胆が呼び起こされてしまう…というために…。
なのでジーンくんの「編集、楽しい~~!!!!😊✌」みたいなところや病室を脱走して編集を始めるところはおいおい…オメー……亜城木夢叶か…!?というような、ちょっと引いた目線になってはしまいましたが…。大鉈を振るうかのような編集シーンもちょっと、なんか、照れ…。
疾走感はあってよいのですが…。照れが故に、普通に切り張りしてるシーンの方が心に残ってしまう…。
やっぱりジーンくんは才能人なんだよなあ…。


また、「足りないシーンがある」ということでバラしたスタッフを再度集めるというくだり、劇場版SHIROBAKOでも見ましたがアニメの尺足すのとどっちが厳しいんでしょうね。なんとなくアニメのほうが「無茶だろ…」みたいな気もしましたが(2クールかけてアニメ作りの過酷さを伝えてきた作品なので、故にその無茶の過酷さも身に染みてしまうのかもしれない。)、シーン足したいんです、というジーンくんのワガママを喜ぶポンポさん、という師弟関係の構図は好きですし、キャラクターらしさが出ててかわいらしかった。
結果足したシーンは…私はそんな好きじゃないけど…(無慈悲)
あと冒頭のジーンくんが作った15秒CMもそんなに…いや…

でも作中作が出てくる作品について、本当にその作中作が「この作品に存在していたとして」面白いと思えるかどうかってジャッジすべきじゃないと私は個人的に思っていますので…。

↑じんしこに出た時もちょうどこの話をしていた

リリーの振り返るシーンはちゃんと抜群にキレイだったしな。
ポンポさんは「MEISTER」を作る話で、MEISTERじゃないからね。

キャストの演技も、ナタリー役の方は女優さんとのことですが私は全然気にならなかったですね。ジーン役の方は…え!?うますぎねえか!?
最近は結構こういう声優業をメインとしてない役者さんを起用するアニメも増えましたが、ポンポさんは周囲を声優陣で固めてるおかげもありむしろいきなり大舞台に引き上げられた二人が際立って効果的だったのではないですかね。
え~違和感があるよ~という人はドリフェス!を2クール見ておけばいいと思います。

で…アランくんだよ。みんな知ってた?アランくんのこと。

誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰
かわいい~~~(大音声)

俺ピンときました…この子に決めました!!(なにを?)
マジで何も知らないで見に行ったので「あんた誰―!!!!!!!!!!(嬉しい悲鳴)」になった。
俺は見抜いていましたよ、ナタリーの水たまりパシャンのシーンで右にアランくんがいることを…♥

アランくん…そんな…三白眼の下にクマなんて作って飛行機で胃薬飲んで…オタクが好きになっちゃうだろ♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥独歩君と一二三君を悪魔合体させたみたいな男だなお前。

てか最初同じ飛行機に乗ってたので何?MEISTERに関わるなんか末端スタッフかな??と思ってたら全然出てこないので「…?」と思ってたら銀行員だったのであれは…出張だったのかな…?????ちょっと混乱しちゃったね。

ポンポさん冒頭で「充実した人生を送ってきたやつは創作に深みがねえ…」みたいなことをブチ上げてるんですが、結構それって…陰キャ特有の陽キャを否定にしていいっていう…残酷さだよね。と思ってたので、スクールカースト上位の存在を入れ込んできたのはよかったのでは、と感じました。顔もかわいいし。(萌え豚ジャッジ失礼します。)

創作を謳歌する陰キャだけじゃなくて、当然創作をビジネスとして扱う人々もいてこその娯楽業界ですよというバランスが保たれていたような。

しかしニャリウッド銀行の会議のシーン、ちゅ、中継すなーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

コンプライアンスはもうガバガバ。
どうすんだよ、カメラの位置によっては会議中に靴脱いでるのバレてさあ、youtubeで「足くさそう」「水虫で草」とか悪口書かれちゃうじゃん。マジやなんだけど。配信を切って!!てそういうことじゃね?気持ちわかる。

ニャリウッド銀行周りのシーンは大体なんかちょっと…「大味なニャメリカン観」を感じて照れ…とならなくも…なかったけど…。
会議中にクラファン突破してる棒グラフ、一体…!?先輩が会議中にめっちゃカタカタ作ったってコト…?!いやクラファンの管理ページで見れるのかな、うん…
この下りまじでドラマティックすぎてウケなくもないのですが、ニャリウッド映画を撮る娯楽映画なので…こんなエキサイティングなシーンがあっても、まあ、いいんじゃねえか?いいのか…?
でも泣いてるアランくんがかわいかったのでOKです。深いことを考えてはいけません。(萌え豚ジャッジ失礼します。)

アランくん、絶対ゲボ吐いててほしい。これは俺だけの願いじゃない、みんな同じ気持ちだと思います。本当です。

てかノート水たまりに落としたこと覚えてくれてるアランくん超良い奴すぎるし…もう辞めてもいいやって身だからなのかな、ジーンくんの映画のために腹くくってくれるの良い奴すぎる…何?ジーンくんのこと、好きなの?
でも1回一緒に仕事で携わったからってさ…友達になってくれるってわけじゃない…
仕事の付き合いって不思議だよね…またこのメンバーで何かやりたいねーーー(大学生?)ってなってもさ、現実的にはなかなかうまくはいかない、はかない結びつき…祈りじゃん…

またSHIROBAKOの話で恐縮なんですけど、フリーランスが多い業界の仕事ってそうなんだよなーって…俺らオタクはさ…舞台とか見てもこのメンバーで我等友情永久不滅で一緒に作品作り続けてくれーー!!!って思ってもそうはいかないし。

マーティンとポンポのじーちゃんがヒット作を飛ばしまくった名コンビでおそらく仲良しなんだろうけど、パーティで会った時はもう全然ベタベタしてなくて…自然に「よっ」みたいな感じだったので、たくさんの仕事の流れの中で、運よく出会えたらまたよろしくやりましょうみたいな…そんなんだよね…と思ってたので…シュン…アランくん…😿
とか思ってたら…

エンディングで超「キャーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」ってサイレントで叫んだ
満点大笑いです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

僕がこの映画で一番気に入ってるのは…ジーンくんとアランくんがイチャついてたところですかね。(台無し)

いや、それは冗談として、一番ちょっとウルッときたのはなぜか、ナタリーがポンポさんに呼び出されて、夜の街を走り抜けながら喜びの実感が身に染みわたっていくようなシーンです。
一瞬だけど、画面の切り替え方がナタリーの弾けていく気持ちに寄り添うようでめちゃくちゃかわいかった。

そういう「ここだ!」っていうシーンが1つでも見つかる映画ってそれだけでいい娯楽映画なのかもしれねえなあ……

そして当然上映時間は90分くらいだったわけですが、ポンポさんを映画にして90分で作り上げたこと、それだけでもう十分だよ…って思いました。

シリーズキャラの背景出演も憎かったですね!

最後に一つだけ言わせて下さい。

描きおろしコミックの背景とかにチラッとアランくんがおるやろなあ…(笑)と思ったらいねえーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
チクショーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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