鱧の湯引き 〜 父の真実を知っているひと
父は8人兄弟の7番目の三男で、大阪の伯母は3番目で次女にあたる。
ちょうどひとまわりの年の差で同じ寅年生まれだった。
はじめていった大阪の伯母の家。
伯母に会うのも中学の時以来だったし、正直言ってどんな会話をすればいいのかわからなかったけど、義伯父が気さくな大阪人でビールをつがれ続けたことで打ち解けることができた。
酒の肴がてっさから鱧の湯引きに移ったころだったか...
伯母から思いもよらぬことを言われた。
「あなたは大阪にくるものだと思ってたのよ。あなたのお世話も私がしなきゃって思ってたからね。お父さんはあなたに自分で選べる人生を与えてくれたのね。」と。
# 実際は大阪弁でした
# 鱧の湯引き # 鱧 # 梅 # 酢橘
# 無名窯 # 福田忠夫
進学した大学にいくことになった経緯。
三男であるにもかかわらず佐賀に戻らざるをえなくなった原因。
伯母たちが父が佐賀に戻ることに反対をしていた真の理由。
言い換えると、
父が自分を犠牲にして味噌醤油に生涯をかけることになったことだった。
# 父の真実を知っている人
昨日は伯母のお葬式だった。
昔みたいにみんなで一緒に楽しく話してるんじゃないかな。
土間を歩いて行った先のこあがりにあった食卓を囲んで。
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