見出し画像

恐竜二段 その5

空手道場のシステムの短所とは何か。
これは自分が所属している団体の道場での話だが、同じ系統の団体である程度の規模のところならそんなに変わらないと思う。

黒帯になれば一応、一人前の扱いになり、指導を任されたり、大会で審判をしたりするようになるので、以前にもまして色帯の後輩が先輩、先輩、押忍、押忍と言う感じで無条件で崇めてくるような感じになる。
だが、普通は勘違いしない。
自分より先輩は依然として居るわけだし、先生も居るし、そもそも勘違いするような人間は黒帯にしない。
例えば、生まれつきセンスが良くて要領よく強くなった人間は、審査の成績が良くても簡単には黒帯にはしない。後輩がそういう所を真似すると困るからと、ある先生が言っていたことを覚えている。
ただ強いだけでは簡単に黒帯にしない世界がそこにはあるのだ。

だが、まれに異様に丈夫だったり、体力が有ったりして、技量や人間性の不足している分を補ってしまい、仕方なく黒帯にしてしまう様なことも有るのだ。
恐竜二段が正にそれだった。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?