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恐竜二段 その3

恐竜二段は家業の手伝いをしていた。
なので時間の融通は効く様で当時、先生がもう一つ道場を開設した関係で手が足りず、かと言って会社勤めの我々は時間の都合が付かない少年部の指導を恐らく仕方なく任せることが有った。

一般部の指導も本当は我々がやりたいのだが一応、向こうが先輩扱いなので先生や上の先輩が居ない時は仕方なく任せていた。
何故、仕方なくかと言うと内容が無茶苦茶だからだ。

フルコンタクト空手の指導体系は実はシステマチックに出来て居て、動作や順番を覚えてしまえば色帯(黒帯未満の人)が指導をしても稽古している体になる。
これがフルコンタクト空手の祖、極真会館が世界に広まった一因であろう。

でも恐竜二段にはそんな事は関係無い。
移動稽古と言う一歩進んで突きや蹴りを出す稽古が有るのだが、この稽古は立ち方の形をコールして全員で一斉に構え、それから指導員の掛け声に合わせて動作に入る。
例えば
「前屈立ち、下段払いよーーい!構えて!!」
「一歩、前に出て中段追い突き!」
「イチ!ニィ!サン!!回って。」
てな具合だ。

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