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姉畑支遁とウコチャヌプコロ 男性育休記2-16

義姉一家は朝食後早々に帰って行った。うちの3歳児がめちゃくちゃ名残惜しんでいたので、良い集まりであったということにしておきたいと思う。メンタルとフィジカルで負傷者が出たことはこの際忘れる。

見送ってからショッピングモールに出かけて、3歳児が寝たので、サイゼリヤで昼食を取る。私と妻は必ず「キッズメニューの間違い探し」をやることにしている。サイゼリヤは最高だ。

あとは特に事件のない1日だったので、唐突に姉畑支遁(あねはた しとん)の話をしたいと思う。

この話をすることによって、より一層この日記を誰にも、特に家族に見せられないことになったが仕方ない。銀狼といい、なぜこんな、ハイリスクノーリターンなことを語り始めるのか自分でも説明できない。


■ 姉畑支遁(あねはた しとん)とは何か

名前の元ネタは、ムツゴロウさんこと畑正憲と、動物記で有名なシートンから来ていると思われる。ゴールデンカムイでたくさん出てくる、「金塊の地図が暗号として上半身に彫られた脱獄囚」の1人であり、元々は動物学者のようだ。

単行本にして11巻の後半、108話ごろから出てくるのだが、登場シーンからしてイカれている。

全裸で、オス鹿とウコチャヌプコロしている。
ウコチャ…なんて?と思われた方もいると思うが、あとで親切にも説明するのでもう少し待って欲しい。全裸でするってことはもしかして?まさかそんな?と思った紳士淑女もいると思うが、残念ながらその悪い予感は当たっている。

その後、次の話(109話)では、木とウコチャヌプコロする。

鳥が嘴で彫った楕円形の穴を見て思うところがあったようである。

その後、作中でメス鹿ともウコチャヌプコロしている。

その後、また別の鹿とウコチャヌプコロしようとしたり、キタキツネ、イトウ(魚類である)、ニワトリ、などとウコチャヌプコロしようとする。


・ウコチャヌプコロ

敢えてそのまま説明はしないが、主人公のアシリパさんのセリフを引用させていただく。

「人間と鹿がウコチャヌプコロしても子供なんて出来ないのに」

「ましてやオスの鹿とウコチャヌプコロする意味がわからない」

「オスはメスとしかウコチャヌプコロしないはずなのに」

「オスとウコチャヌプコロするなんて どうしてだ杉元……?」

質問された杉元も、この問いに対して答えを持たない。ただ

「ウコチャヌプコロ…」とだけ返事をしている。そうするしかできない。

・姉畑支遁の最終目標

非常にシンプルだ。日本における陸上最強生物、ヒグマとウコチャヌプコロすることである。

ヒグマとウコチャヌプコロさえできれば、

「醜いわたしはこの世界とひとつになれる気がする」

と、支遁は述懐する。

ネタバレしてしまうが、最終的に支遁は文字通りその命と引き換えに、ヒグマとウコチャヌプコロを達成する。

その姿を見て、杉元佐一は

「やりやがった!!」

「マジかよ あの野郎ッ」

「やりやがったッ!!」

「姉畑支遁すげえッ」

大興奮で絶叫する。私もそう思った。

だが、悲しいかな、姉畑支遁のエピソードはテレビアニメ版ゴールデンカムイでは丸っとカットされている。

これに対して、私は「まあ、テレビアニメ、そうよな」と思っている。

実写映画版では出てくるだろうか、姉畑支遁は。

■実写版「ゴールデンカムイ」の姉畑支遁役は?

アニメでは丸々カットされるキャラの配役を真剣に考えている人はあまり居ないのではないかと思うが、姉畑支遁役は、「出るとして」誰が適任だろうか。

作画上の特徴から、中肉中背であり、丸メガネが似合うこと。

そして裸になれることが必須条件である。

そしてこれが最大のネックになると思うが、引き受けたとして今後のイメージに甚大な被害が発生することになる。


・脳みそ夫さん

まず、真面目に俳優をしようと思っている人がやってはいけない役だと思う。なので、お笑い芸人からの選出としたい。
なんとなく私が浮かんだのはこの方である。
丸メガネが似合いそうであるのに加えて、過去に「くも漫」という漫画の実写映画で主演もしていて、その時に脱いでもいる。かなりの条件をクリアしている。

だが、芸風を考えたときにどうだろうか。

脳みそ夫さんは、なんというかこう言っては失礼だが「可愛らしい」芸風である。

姉畑支遁を引き受けたが最後、「あいつ、ウコチャヌプコロの奴だぜ」と思われると、今後素直に笑えない人が出てくるのではないか。芸風とマッチしない。

・ピスタチオの伊地知さん

2022年5月末で解散するというニュースが記憶に新しいが、特徴的な髪型をしていて「芸人を続ける方」が、伊地知さんである。

まず、姉畑支遁は見た目の上では伊地知さんがモデルなのではないかと思うほど、髪型と髭は同じである。あとは丸メガネをかければいい。

しかし、これからピン芸人でやっていくという中で、いきなり姉畑支遁というのはさすがにリスキーというか、もともと白目を剥く芸風と相まって「やっぱりガチでそういう人なんじゃないか」という最悪のパブリックイメージが定着する恐れがあり、あまりお勧めできない。私がマネだったら止める。

・私、芳川

髪型さえ整えれば、見た目はだいぶ寄せることができるし、裸になることも抵抗はない。しかも、妻も知らないが、端役だが映画に出演したこともあるし、演劇部にいた事もある。

というか、姉畑支遁を演じるにあたって、私は見た目も演技力もあまり大切ではないと思う。

大切なのは、そう、ウコチャヌプコロである。そこにかかっている。

「こいつはウコチャヌプコロしそうだな」という説得力があるかどうか、といえば分かってもらえるだろうか。

唐突に最悪のタイミングで名前を出して申し訳ないが、このnoteを一緒にやっている相方のひよこさんも顛末を良くご存知の通り、私は20代半ばくらいに手痛く失恋をした。

犬を飼っているその元カノのために同棲先としてペット可の物件を張り切って借りたが、そのタイミングで別れることになって途方に暮れた私は、そのときに捨て猫を拾って一緒に暮らすことにした。ちなみに2022年5月現在も、そのメスの三毛猫は元気である

ところで、失恋当時、私は良からぬ噂を聞いた。

「芳川さんは元々狂っていたが、なおさら狂った」

「合コンに誘っても全然来ない」

「もしかしてその拾ったメス猫と…」

これらは全て後年になって聞いた話なのだが、当時はほぼ確定の話として流布されていたらしい。

私はメスの三毛猫とウコチャヌプコロしていると思われていた。

一応否定しておくが、していないし、しようと思ったこともない。

だが、「猫とウコチャヌプコロしそうな」狂気のような何かが私から出ていたのだと思う。醸していたのだと思う。

姉畑支遁、適役である。

ということで、「もし姉畑支遁を実写版ゴールデンカムイに出すのなら」この芳川を指名していただければ幸いである。よろしくお願い申し上げます。




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