お別れの先


空気が凍っている
先ほどの僕の話か
それとも気温のせいか
僕だけがドキマギと
身体を熱くさせている

君が開口するまで
目まぐるしく表情を変えていた
困らせただろうか
言わなければよかった
口に出さなければ
これまで通りだったのに

前に進みたいと思った
僕の欲が勝ったせいで
今、窮地に立たされた気分だ
胃が気持ち悪い

ようやく開かれた口からは
「ごめんね」と書いてあった

ああ、そうだよな
僕はすべて勘違いしていたんだ
僕だけが未来があると
信じてしまっていたんだ

欲深い自分をひたすら憎むのか
つつもたせのような君を恨むのか
どちらも僕の自由だが
もう後は無い事だけが事実だ

僕の一言で
僕と君の明日は白紙になった
ただ、その事実だけが
残酷にも未来のレールを引いている

君と歩いた街路樹も
センター街も、路地裏も
僕の家の近所だ
なんて現実は残酷でしょう

これから君との思い出を薄めながら
僕は同じ家で暮らさなきゃいけないんだ
何もかもが君だらけなのに

いつか忘れられるだろうか

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