見出し画像

【雪ミク桜ミク改稿済】ピアプロリンクと二次創作の解説【後編】

後半は具体的にピアプロリンクの申請の仕方、して良いこと、NGなことについて書いていきます。
前半はこちら↓

ピアプロリンク
二次創作やイベントをする時、申請するとQRコードと登録番号が貰える。
つけていると格好良いが、申請と受理であって許諾ではない。
他の権利者の許諾を得た上で申請するルールなので、クリプトンはクリプトンの権利部分のみ受理している。つまりモジュなら服装やデザイン部分をSEGAがヨシ!したので、「キャラ部分」はピアプロリンクを申請したという形。(現実としてはほぼあり得ない)
だが創作応援システムなので、申請すればよっぽど通る。(のでアウトなのは出来れば申請しないであげて欲しい)
イメージとして同人即売会のサークル登録に近い。サークル登録は出来るが、頒布物チェックされてアウトなら当日頒布できないのと同じ。
創作を邪魔するためでなく、創作を後押しする為にある。

申請前にやっておくこと

未成年は親権者の同意が必要となります
同人であっても、金銭の授受が発生しますので、このあたりは厳密です。

また、少なくとも一度くらいは利用規約に向き合ってみてください。
それから慣れるまではなるべく実際のグッズ、または表紙イラストなどを用意してから申請する方が楽です。イベントであれば、なるべく詳細を用意しましょう。

通常であれば一週間以内に申請受理されますが、スタッフさんが多忙な場合は時間がかかるかもしれません。(ピアプロ担当者はイベントやコラボなどもあり中々大変そうです)
頒布時期+印刷や記載する時間を逆算して、なるべく余裕をもって申請しましょう。もし同人誌の外装に印刷する場合は、入稿前に受理されるよう、きちんと申請しておくのがお勧めです。

申請出来るもの、出来ないもの

正確にはPCLの範囲、ピアプロリンクで定められた範囲ですが、ざっくりした区分け方は下記のリストで判断してください。

申請してみようヽ(´▽`)/
個人かつ非営利である(同人サークルやイベントスタッフがいるのは可)
有償である(お金を取るもの。イベントの場合実費回収など。非営利無償は申請が不要)
・他に権利者がいる場合、全ての権利者の許可をとっている(例えば公式採用された以外の雪ミクなら、デザインした人の許可がいる。亜種も同様)
成人向けでない、一般向けである。著しくキャラクターイメージを毀損していない、キャラクターを誹謗中傷に使用していない
・ピアプロキャラクター(6人)を使用している(自作デザインミクさんや亜種なども含む)
・ある程度常識的な頒布価格(高額すぎると営利だと判断されることがあります)
マジカルミライちゃん、雪ミク、桜ミクなど、クリプトンのみが権利をもっているキャラクターを利用している
・頒布方法は、同人即売会、自家通販(BOOTH含)、サブスク、DL頒布、対面のいずれか(またはこの中で複数。委託通販や校長直送不可
プロセカなど二次創作ガイドラインが出ている企業の二次創作で、ピアプロキャラが出ている
・同人(グッズや同人誌)を創る側に法人が含まれていない(法人関係者が個人として参加している場合はOK。企業はライセンス契約してねということ)


出来れば申請しないであげて
・成人向けの諸々(こっそりやってください。BLの18禁も含)
・イベントで明らかにアウトなもの(ファンメイドライブで楽曲やモデルの許可を取っていないなど。非営利有償上映会もグレーゾーンなのでご注意ください)
・他者のイラスト、楽曲、抜き出しモデルなどを勝手に使っている(アウト!他者の知的財産を侵害するのはダメ)
・虎やメロンなど企業委託通販を予定している(現状明確に禁止されています。OKなのは自家通販のみ)
・pixivFACT○RYなど、直接業者から発送される通販(自分で梱包、発送しないもの。予約頒布して自家通販するならOK)
・規約の範囲で教育に利用する場合(特に申請が必要ありません)
他企業や個人が権利をもつキャラクター、例えば、レーミク(GSR)、モジュール(SEGA)、ミクダヨー(SEGA)、各種企業コラボデザイン(コラボ先企業)など。これらは現状ガイドラインがなく、括弧内が服装デザインに関して権利を持っています。(権利者の許諾やユキネのように
ガイドラインが得られていれば申請OK

※上記はクリプトンさんに再度OKなラインを確認して2021.04.20に改稿しました。

ただしこれらは、申請すれば大体通ってしまいます
ルール上は「他の権利者の許諾が全て揃った状態で申請されている」筈なので、クリプトンは自社の権利部分のみ、申請受理しているからです。
また元々申請と受理であり、許諾ではないので、虚偽申請など問題があれば頒布停止、ピアプロリンクの取り消しはあり得ます。(第6条)
(その際異議申し立ては出来ません。また過去にPCL違反があり利用許諾契約を終了しているとピアプロリンクは二度と利用できなくなります)

クリプトンさんはなるべく個人の創作活動を制限したくないので、こういったまったり運用を行っているようです。
良い顔はしませんが成人向けを取り締まったりもしていませんし、今でも企業委託通販にミクさんの本がありますし、モジュ系同人は大人気です。
許可出来ないことは(通常の同人と同じで)こっそりやってねというスタンスのまま、見逃しつつ長年過ごしています。(なのでこれらは申請しない方がお互いの為。企業は黙認は出来ますが、許可を求められるとNOとしか言えません

ピアプロリンクはファンの協力がなければ成り立たないので、申請と受理されてるとえらい!QRコードかっこいい!くらいの認識だと、楽しくピアプロリンクとつきあえます。
馬鹿正直に守っているとちょっと大変なルールのため、こいつピアプロリンクあるのに……みたいな気持ちの人もいるかもしれません。でも正義に燃えそうになったら、ピアプロリンクは創作を応援する為のものだと思い出してみてください。

必要なもの、情報

グッズであれば、個数、価格、ラフでもいいので頒布物のイメージ(本なら表紙、グッズならイラストなど)を用意してください。(現物が出来上がってから写真を撮るのが一番ですが、ラフでもいけます)
イメージは無くても受理されますが、ある方が判断しやすいのです。
イベントであれば、イベントの年月日、場所、規模(人数)、入場料

非営利販促物(CDのおまけや、イベントの特典など)は、もっとざっくりとした「何を作るか」があれば大丈夫。
またダウンロード等頒布は価格と種別が必要です。

上記と別に、説明文が必要となります。
これは詳細に書く方が判断材料が増え、受理されやすくなります。
またBOOTHの自家通販を予定している場合(もしくはやるかな?くらいでも)説明に書いておきましょう。
(必ず倉庫利用ではなく、自家通販であるとわかる形で記載してください)

印刷前で個数や価格がはっきり決められない場合、概要でも受理されます(要は大規模かどうか、営利かどうかを判断しているのでしょう)。
その場合は説明に「まだ印刷所が決まってないので、価格は300~500円、個数は20~30個の範囲で変わるかもしれません」など補足しておくと良いでしょう。(あんまり誤差のない範囲で。3~1000個などはやめましょう)
また申請受理されてから変更も可能なので、虚偽申請にならないよう出来るだけ確定後に修正しておきましょう。

なお説明文は申請受理後は誰でも見られる状態になりますので、注意して作成してください。
↓QRコードから参照して貰うとわかりますが、同じ絵柄でステッカー&マグネットを作成した時のものです。
現物ではなく、入稿前画像で申請。同人誌即売会は具体的に決まっていなかったのでぼかしていますが、参加イベントが決まっているなら「何月何日のこのイベント予定です」と記載しても良いです。
またこれは私のイラストではありませんが、友人との合同サークル代表として申請しています。

サイズなどが記載されていると値段が妥当か判断しやすいので、特に高額になりそうな時はサイズや特殊仕様であることを記載しておくとよりスムーズとなります。
(イベント参加費が高額になるのであれば、それも理由を記載してください。フレンチレストラン貸切でMEIKOパーティみくみくハロウィンクルーズなどは実費が高額になりましたが受理されています)

ダウンロード

気をつけて欲しいのが、実質的な代理申請の場合です
自分の作品やイベントではなく、サークル代表としての申請ですが、トラブルがあれば申請した人に連絡がいきます。

実際の代表は未成年だと発表しているのに、ピアプロリンクは他者が申請しているなどもありましたが、虚偽申請の場合は受理済みでも取消しされますし、虚偽申請に関わったアカウントは当然ながら覚えられます。(悪質な場合、受諾契約終了して、二度とピアプロリンクを申請出来ません。未成年者の場合、本来は親権者の同意が必要)

サークル代表として他者の分を申請する場合、自分も作品やイベントに責任を負うことを忘れないようにしましょう。
何かあれば自らの信用を毀損することにもなりかねないので、特にクリエイターを目指している人は慎重になってください。

申請受理されてからのこと

具体的な申請方法はここにあるので参照してくだい。写真付きでわかりやいので解説は飛ばします。

本来は申請受理された場合、「取得したQRコード画像は、以下のように申請作品の外装に表記」する必要がありますが、DL頒布などが認められてきた昨今、どうしろと……?みたいな気持ちになります。(※8桁の英数字(ピアプロリンク申請PK)を作品のクレジットに含めることで代えられます。)
このルールも厳密に運用はされていないように思います。

理想としては、印刷所入稿前に受理されて、頒布物に直接印刷することですが、別紙やシールに印刷して、貼ったり同梱するのも良いでしょう。
私は数が少ない場合、手書きで8桁の英数字(ピアプロリンク申請PK)を外装に書いたり、複数の頒布品のQRコードを記載した「ピアプロリンクカード」を印刷したりしていました。(名刺サイズは印刷が早い)

また非営利有償イベントでピアプロリンクを申請している場合、関連するポスター、チラシ、グッズなども同一のQRコードで処理している人が多いですが、この運用が正しいのかはわかりません。
(頒布グッズは個別で申請する方が丁寧かもしれません)

ピアプロリンクは許諾じゃない

しつこいですが、繰り返しますヽ(´▽`)/
悪質なものをこれは公式が許諾したんだ!と騙されて欲しくないのもありますし、こんなものを許諾するクリプトンは酷い!と思わないで欲しさもあり、周知を望んでいるのです。許諾してない。

ピアプロリンクは許諾ではなく、厳密なルール運用もされていません。
例えばiXimaさんは委託通販を行っていますが、SD本ではピアプロリンクを取得し奥付にQR記載していました。
これはガイドラインにおける『特別な個別契約』であり、ルールに違反している!ずるい!などではないのです。(それはそう)
他の場合でも、事情を説明すれば許可されることもあります。(フィギュアなどの立体は話し合いを前提にしています)

もしこれピアプロリンクを取得してるけど、アカンでしょ……という場合は、QRコードから個別頁に飛ぶと「違反報告」が出来ます。
ただし大抵の場合、クリプトンは黙認のスタンスなので、特にリアクションは期待せずにおきましょう。(黙認するか咎めるかは権利者が判断することです)。
そもそも、クリプトンさんめっちゃ忙しいので、個別案件に拘る余裕はあまりないのです。それよりも新作のコラボやイベントが沢山あります。

ピアプロリンクとPCLは緩和されてきた

もちろんだからといってルールに違反して良いわけではありません。
PCLもピアプロリンク規約も「いつでも自由に改訂できるぜ」という文が入っていますが、これまでルール(制約)を増やしたことはありません。むしろ色々緩くなってきています。

なるべくルールを増やしたくない=創作を最大限自由にして欲しいであって、ルールで明確に禁止されてないから、何でもして良いではないです。
同様に、曖昧なのは曖昧な理由があります。ルールを制定して厳密にファンの創作活動を縛りたくないのです。
なので、曖昧だ!!おかしい!!ハッキリさせろ!とクリプトンさんに凸することはやめましょう。そこをハッキリ線引きすることは、誰の為にもならないですし、何よりも創作文化と共に在る「初音ミク」の為になりません。
(もし凸ってる人を見かけたとしても、反応しないことです。DMで話すならともかく、少なくとも表で言及しないようにしてください。問題を大きくしたい愉快犯の場合もありますし、悪意はなくその時視野が狭いだけのこともあります。その場合はいつでも引けるように、大事にしない方がいいのです)

見逃せないほどのトラブルがあればルールは増えるでしょう。
逆に言えば今あるルールは見逃せないレベルで問題があったから制定されたものです。
(PCLを見ると「本来は対価受け取るのは全部NG。でも同人即売会はOKするよ(海賊版禁止)」「第三者の権利侵害しないで」「誹謗中傷や侮辱、公序良俗に反することしないで」「損害は負わない利用者の責任」などがあります)

もしクリプトンさんが何かの切っ掛けで方針転換すれば、ルールは厳格化するでしょう。
でも制定されてから13年間、クリプトンはそうしていません。

DL頒布に関しても、2012年時点では否定していましたが、現在では時代に合わせて、サブスプリクション含めてOKになっています。
当初は許可されていなかった通販も、対面販売に準ずる形として自家通販が広く解禁されています。これによって、サークル参加のハードルが高い人でも、頒布することが出来るようになりました。
BOOTH自家通販のやり方は詳しくはこちらの記事を参照してください。

pixivFACT○RY系は何故ダメなのか

「ピアプロリンクの対象となる非営利有償配布は、ピアプロリンクを利用される方が直接の配布行為の主体となるケースに限ります。すなわち、対面販売、もしくは通信販売であっても自ら受注を確認し、配布物を梱包し、発送の手続きを行うようなものがこれにあたります。」とありますが、これは仕方無いものだと諦めてください。
正直不便です。めっちゃ不便。通販は委託させて欲しいし、在庫を抱えないように、直接注文方式にさせて欲しい。

ただこれは「企業からライセンス料を取る必要がある」「海賊版を許容しない」の2点において、仕方ありません。

通販に関してですが、業として委託販売、通信販売を行っている企業が初音ミク関連で儲けをだすなら、ライセンス料を納めてください。という至極全うな話です。せやな。
決済手数料やシステム手数料が発生するBOOTHを解禁してくれたことだけでもありがたい。
また当初の目的としては規模が大きすぎる同人活動をある程度抑えたい気持ちもあったのかもしれません。企業委託出来るのは一定以上の部数を刷っている人(または人気の作家)になりますし、そうなると利益が出ているという認識だったのでしょうか。
(通販に関しては、同人即売会が減った現状、時代に合わせて今後緩和される可能性もあります)

ただ直接注文方式で、業者から発送する形は解禁が難しいかもしれません。
これは企業案件と、同人の区別が付けられないのが大きいと思っています。

①企業がイラストを発注する→製品を作って売る→発送(コラボ通販と同じ)
②イラストレーターが自分で描いて納品する→企業が作って販売する→発送
この区別が外部からはつかないのです。
近年は印刷会社が特定のイラストレーターを起用してグッズを作って販売することもありますし、過去には高額商品を印刷会社が直接受注する形で頒布しようとして問題になったこともありました。

企業がIPを使用するならライセンス料を払ってねは当然の権利です。これがあるからこそクリプトンさんはコロナでイベントが潰れても、今も揺るがず新規展開していけている面もあります。(それだけではないですが、ライセンス料は大きな柱です)
同人に関して一切利益を求めていない企業に、更に正当な収益を手放せというわけにはいきません。
表だってOKといえば、ライセンス逃れや海賊版に繋がることになるので、中々難しいのです。
(その為現在は小規模であれば黙認の形。ルール上は禁止されています)

在庫を抱えたくないけど通販したい人は、BOOTHの予約注文を利用してください。
注文を締めきってから印刷所に注文→手元に届いたら自分で発送の形なら問題ありません。発送予定日は余裕をもって設定してくださいね。

同人でDL頒布解禁は驚異的

これ、実はとんでもないです。驚愕しました。
これまでピアプロリンクも含めて、同人活動は「印刷費など実費を共同負担する」という名目で、お金を取っていました。
そのため大きく利益を出さないよう、印刷費など実際にかかった経費に基づいて値段を設定しているというのが建前でした。
でないと「業として行っている」「営利」になってしまうのです。

もちろん夏冬コミケで一年分の収入を得ている同人作家などもいて、名目は形骸化していました。印刷費も13年前と比べて格段に安くなっています。
ただ実体は違っていても、同人は営利活動でないという建前のためにこの名目は在り続けました。

サークル参加費、遠征費用、自分の労力などは除外した金額で頒布してくださいねというのが一般的で、当初のPCLもその考えで制定されています。
同人のガイドラインを出してもDL頒布を禁止しているところもあります。

DL頒布を認めた=印刷費が発生していなくても、クリエイターの労力に対して金銭を得るのを認めたということです。
実際クリプトンさんが重視したのは音楽なのかもしれませんが、イラスト集や同人誌など印刷物もDL頒布出来るようになっています。

クリエイターが適切な利益を得ることに反対しない傾向は、PatreonやFANBOXなど課金要素支援サービスの利用を(やんわりと)認めていることからもわかります。(会社として公式なアナウンスはありませんが、伊藤社長からツイートがありました)

DL頒布OKという現状をみるかぎり、物理グッズなどの同人活動でも、多少の利益が出る程度は黙認しているのではないでしょうか。

まとめ

ピアプロリンクは取ると楽しい
クリプトンさんのPCLやピアプロリンクは二次創作の応援
曖昧なものは曖昧なまま、あまり拘らずに創作を楽しもう
細かくルールを制定しない=ファンの協力を前提としている
プロセカのように二次創作ガイドラインがあれば、企業が権利者でも申請OK
わからないことはTwitterで質問してくれたら、多分答えます

長文になりましたのでこの辺りで。PCLの細かな解説までいけませんでしたので、機会があればまた記事を書きたいと思います。

もし興味があれば、ピアプロリンク、申請してみてくださいねヽ(´▽`)/

↓ピアプロリンクを並記した通販画像の例

ご拝読、ありがとうございました!



前編はこちら



紅茶代、最近ハマりだしたコーヒー代、あとはカカオティ代になります。 大体お茶です。誘惑に負けるとお茶菓子になります。