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罪の保留が終わるとき


多分新卒で働いてたときすっっっっっっ………ごい辛かったんだな……………………といまようやく分かってきている。もしかしたら鬱病が一番ひどかった時よりも本気で死のうかなと思ってたから、そりゃ辛かったはずなんだけど。辛いとか苦しいという感情よりも、この世に対する致命的なまでの絶望が深くて、だから感情的な苦痛は意外とあの頃は気にはならなかった。

桜が咲いている。就活のためにひとりで東京に来てキャリーケースを引いていた日も、今すぐにその場で自殺したい気持ちに襲われながら会社までの道を歩いていた4月も、同じように桜が咲いていた。会社の駐車場を掃除するために箒を持って外に出て、風で舞い上がるたくさんの花びらを茫然と眺めていた日のことを覚えている。

正社員における労働というのは本当に正気じゃなくて、一日働いて満員電車に乗ったら家まで帰るのがもうやっとで、帰っても何かをする気力はひとつも残っていなかった。初めにいた会社は旧時代的な風土だったのもあって、人と会話することも誰かと同じ空間にいることも私にはそれだけで耐えがたいほどの苦痛だった。

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22年7月から23年7月までのログです。更新終了済。

とても頑張って生きているので、誰か愛してくれませんか?