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『ヤクザと家族』感想・ネタバレなし

この現代にヤクザ映画なんてどう成立するんだろう、という純粋な興味から、劇場で観ました。結論。これはヤクザ映画ではなく、極めて現実的普遍的人間愛の作品です。わたし、基本的に暴力表現が多い作品は観ないんですが、そういう層でもおすすめできます。

人間というのは生物としての宿命から逃れられないんですよね。「よりよく生きる」ために、どこかで救われるターニング・ポイントがあるんじゃないかって、観ている端からずっとずっと考え続けながら没入していました。美しい画面もアクションも、映画館で観てよかったです。

そして、そのよりよく生きる基盤として、家族という繋がりを意識的に無意識的に求め続けてしまうのでしょう。家族って遺伝子学的な血縁とは限らないし安らぎの象徴であったりもするけれど、血縁の呪縛も同時に存在する「安寧と悲劇の場」でもあるんだなと、この作品を観て思い直しました。

痛々しいほどの愛憎劇と現代的な冷酷さを見事に「眼で演じ切った」俳優陣とスタッフに拍手です。ありがとうございました。すべて観るとエンディングテーマの意味がやっとわかります。 

あ、ヘッダーは特に関係ない焼肉定食の肉です。




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