見出し画像

最高の自由あそび

こんにちは。ひよこクラスのさゆり先生です。

前回の続き。前回は人生をあそぶがテーマでした。

自分がやりたいことで生きる感覚は、幼い頃の自由遊びと重なり、子どもの頃の自由に遊べた体験が将来、自分がやりたいことで生きていけることに繋がるのではということを提案しました。

でも、自由あそびって一言に言っても意外と幅があるんだなあっていうのが私の体験。

自由あそびってどういうこと?

うちの子、毎日、自由に遊んでるわよ〜。って思っている人、多いと思います。

幼児教育を日本で学び、そしてカナダでもさらに学び、現場で子どもたちと関わる経験を重ねていく中で、自由あそびのこと、私、よ〜く知っていると思っていました。

『自由あそび?ああ、当然、大事よね〜。』って。。。

シュタイナー学校の幼稚園に勤めるまでは。。。

ちなみに、私の長女はもともとモンテッソーリ教育の幼稚園に通っていて、私はBC州の幼児教育の免許を取るために、バンクーバーのある大学で、レッジョ・エミリア教育(Emergent Culiculum)を学び、教育実習などでも訓練を受けていました。

娘がモンテッソーリからいろんな理由と偶然が重なりシュタイナー幼稚園に移りました。

そして、初めてシュタイナー幼稚園の現場に臨時でお手伝いに入った時、子どもたちの自由あそびをみて衝撃を受けました。

カオスであってカオスでない、安全だけどグレーゾーン満載の中、子どもたちがとてもダイナミックに生き生きと遊んでいたのです。

これまでの体験と何が違っていたか?

何がシュタイナー幼稚園では大事にされていたか?

ペダゴジカルな観点も混ぜてちょっとここでシェアしたいと思います。

自由なあそびを最大限に引き出す環境

シュタイナー幼稚園はカラフルなプラスチックのおもちゃは取り入れず、自然の温もりのある木のおもちゃや、シルクやコットンの布やウールなどのナチュラルな素材のものがその環境にあるというイメージが強いのですが、それは表面的なこと。

教育者としてのアートというか力量が出てくるところが、どれだけのおもちゃや素材があれば子どたちの自由度が増すのか?を常に考えているところです。

なぜなら小さな子どもたちが身体を形成していく中で大事なのは、彼らを取り巻く環境だからです。

そして1つの大事なキーワードがあります。それは、Kim John Payne(キム・ジョン・ペイン)が提唱しているミニマル子育て。

少ないは多いにまさる

これがミニマル子育ての本髄です。

大人も子どもも心が落ち着く環境づくり。

ありすぎるおもちゃや、音や映像の刺激は子どもの集中力や想像力をそぎます。

物だけでなく、習い事などの多すぎるスケジュールも子どもたちからゆっくりと遊べる時間を奪ってしまいます。

当然、物が多いというのはお片づけも大変で、子どもも大人もストレスに繋がるという結果になりますね。それは自由にあそべる環境とは言い難いくなってしまいます。

おもちゃについて

5、6歳の子どもたちがいる私のシュタイナー幼稚園のクラスのおもちゃを紹介しましょう。

積み木、木の板、毛糸のロープ、ビーンバッグ、パペット、木の車、いろんなサイズの布、お人形、ちょっとしたキッチンセット(お皿、鍋、スプーン)、ナッツ、石ころ、ビー玉

その他、下の写真のようなプレイスタンドと木でできたベンチ

画像1

幼稚園で使っているおもちゃは、用途が限られているものはなく、どれも工夫すれば、どんな遊びにもなるものばかり。

数もたくさん過ぎず、少な過ぎず。

ここ数年、特に男の子たちの中で毎年引き継がれていく遊びがあります。それはビー玉転がし。木の積み木や板を駆使して並べ、ビー玉を転がす。。。とてもシンプルな遊びなのですが、毎日毎日、何ヶ月も飽きずに積み木の並べ方を創意工夫し、いかにビー玉が途中で落ちずに、跳ね返って最後にバスケットに入るかとか。。。

こんなにシンプルな遊びなのに、観察しているとまさに創造的かつ、イノベーション的な体験がそこにあります。

Creating something out of nothing.

何か決まった形があるわけではない。何もないところから、既成概念を持たない子どもたちは思い思い心に描くものを作りだすことが、クラスの中で見られる光景です。これはシュタイナー幼稚園で見かけるあそびの醍醐味のように思えます。

ごっこ遊びと模倣力

子どもたちの〇〇ごっこは模倣力の成せる技です。

逆を言えば、3歳までに模倣する大人がいなくてそういう体験が少ない子どもはそれ以降のごっこ遊びが苦手です。

何かになりきるような役割を演じることや、ファンタシーの遊びは子どもたちの体験の幅を広げ、想像力をさらに豊かにしてくれます。

役割を演じることで彼らは自分の中で体験を落とし込み、体験の意味づけを自分の中でしていきます。

大人はおしゃべりをつつしむ

小さな子どもたちが自由にあそぶ空間では、大人のおしゃべりが子どもたちの豊かなあそびを邪魔することがあります。

子どもたちは聞いていないようでよ〜く話を聞いています。

大人のおしゃべりは時としてセンセーショナルな内容が多いもの。。。

そういった、センセーショナルな内容は子どもに要らぬ心配や刺激を与えてしまうことも多いものです。

また、集中して遊んでいる子の横で、ついつい横からコメントしたり、質問したりしていませんか?

子どもの自由なあそびの空間を尊重してあげてくださいね。

安心、安全な環境

最後に、当然と言えば、当然なのですが、、、

子どもが安心して過ごせる温かい環境は自由あそびには欠かせません。

安心安全を整えるためにも、シンプルなルールを設けておくといいかもしれないですね。

その場が温かい空間であり、信頼できる大人が自由にあそべる空間を守ってくれる。

そんな信頼をベースに子どもたちはあそびという活動に、自由を感じることができるのだろうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?