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とばっちりで住まいを失った話①

突然ですが、あなたは借りている住まいを
「オーナーの都合で明日出て行かなければならなくなった場合」
どうしますか?

当然、困るほかないと思いますし、実際私はとても困りました。

私は訳あって普通の借家ではなく、精神障害者向けのグループホーム(アパート個室のサテライトタイプ)で生活をしていました。

しかし、どんな形態であれ家賃を支払い続けている以上は居住できるのが常識だと思っていて何の準備もしておらず、部屋は片付けるどころか余計なものが置きっぱなし。

前日までコロナで仕事を休んでおり、今日から復帰だ!と意気込んでいた矢先の出来事でした。

2022年7月29日 金曜日午前、役所の障害福祉課の方より留守電が入っており「至急折り返しお願いします」との事だったのでその通りに折り返す。

「明日お宅で強制執行が……」

と知らされました。

強制執行って何なんだよ!って方も多いと思うので端的に説明すると

「ローンや借金をした債務者が滞納をしてお金を払えない場合に、債権者が財産や不動産などを差し押さえることができる」という制度です。

要は、借金した側がお金を返せない場合などに貸主が裁判所の力を借りて所持品をむしり取ってしまえる制度のことのようです。

私はそんなことをやらかした覚えはありません。

しかし、強制執行という言葉は初めて聞いた言葉ではありませんでした。

1カ月前に自室まで裁判所の人が来て
「障害者施設の代表と部屋そのものを貸している不動産会社が揉めた結果、強制執行で部屋を差し押さえることになったから君は来月までに立ち退いてくれ~」

と事前に通告され、部屋の玄関に書類を貼られていたからなのでした。(勝手に剥がすと罰金刑になるらしい)

もともと年内にアパートを探して一人暮らしを始めるつもりであったので、引越し時期が早まるだけだな~と前向きに捉えていました。

猶予は短いので会社の上司にその旨を連絡し、家探しはお世話になってた就労移行支援のスタッフさんに相談しようと考えそちらにも事情を伝える。

しかし、数日後にオーナー含む関係各所から

「グループホーム側が不動産会社に家賃滞納して揉めてたんだけど、返済して解決したので立ち退かなくて大丈夫だよ!」

という連絡をもらったのでひとまず安心し、じゃあ引越し資金しっかり貯まるまでゆっくりするかぁ~!と一旦考えるのをやめたのでした。

なので、7月は安心して連休に遊び歩いたり、コロナにかかってもゆっくり療養に専念できたのでした。


…………じゃあなんで役所からこんな連絡が来てるんだ?



役所の人「解決したっていうのは全部嘘で、今日出て行かないと明日裁判所の人が来ます」

役所の人「だから私の方で空きのあるグループホーム探しますね。もし無かったらしばらくウィークリーマンション住まいになっちゃうかなぁ……」

あらめ「そ、そうなんですね……ありがとうございます」


話の内容は一応理解したけど受け入れられなくて、電話切ったあとはしばらく呆然としていました。

どっちが嘘ついてるんだ?でも役所がわざわざこんな嘘つくかなぁ…

としばらく考えを巡らせていたけれど、オーナーは今回に限らず入居時に汚い状態で部屋を明け渡してきたりするいい加減な人間なので、そんな奴より役所の人のほうが信用できるかぁ……という結論になり、上司に早退の連絡を入れ、渋々と部屋の片づけを始めたのでした。
在宅勤務だったおかげで片付けにすぐ取り掛かれて助かった……!


②へ続きます

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