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赤鼻先生にお逢いしました!

めぐみ在宅クリニックの小澤竹俊さんが主催している「地域緩和ケア研究会」に先月から参加しています。

新型コロナ・ショックに備えて最強のチームを作ろう VOL.6の今回は、
『はなれていても、だいじょうぶ』の出版記念も兼ねて、副島賢和さんが登壇されました。

今回は、病院内の院内学級で教員・ホスピタルクラウンとして活動し、病弱教育の領域で発信していらっしゃる、副島賢和先生をゲストにお迎えします。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、学校や家庭での子供との関わり方に戸惑いを感じている方は少なくないかと思います。副島先生からは、「はなれていても、だいじょうぶ」と題して、院内学級で子供達や同僚教員、医療従事者、保護者等との関わりを通して学んだことをお話いただきます。
【目次】
1.感情を動かすこと
2.子どもにとっての喪失とは
3.自尊感情について
4.SCHとは
5.ケアする人のケア
6.その子の今を大事にする
7.大人の姿勢と仲間づくり

1.感情を動かすこと

 「喜怒哀楽」の4つの漢字の中には無数に絡み合った感情が隠れています。同じ場面を経験しても、その人がこれまで生きてきた経験や人との関わり方によって、その人が「感じるもの」は違っているのだということに最近気が付きました。「喜び」を感じたときに、心から誰かと一緒に喜べているでしょうか。「怒り」を感じたときにその怒りを言葉にして発信できているでしょうか。「哀しい」ときに哀しいと伝える人はいるでしょうか・・・

「楽しい」とき、「楽しい」と言えない状況下に暮らしているなぁ・・って最近思います。「私は楽しいのだけど、世の中には仕事がなくなって辛い思いをしている人がいるなぁ」って考えると、「楽しい」ということを自粛してしまう自分がいます。閉じられた安心なコミュニティのなかでは思いっきり「楽しい!!」って言うようにして発散していますが・・・

副島さんは
ポジティブでもネガティブでも「感情を動かす」ことが大事だ。ゆらぎのなかで自分の感情に気づいて「その感情のままでいいんだよ」「辛くなったら逃げていいんだよ。」と受容してあげると「自分を守ることができる子ども」になる。自分を守ることができなければ他人も守ることができないからね。って言ってました。

2.子どもにとっての喪失とは

副島さんに「子どもにとっての喪失に何があると思いますか?」って問われたときに思い当たったワードの何倍も「子どもにとっての喪失」って大きいものだってことを学びました。

①欲求(満たされないもの)・・○○してほしいが満たされない
②大切な人・・コロナの影響でお友達に逢えないことも喪失
③大切なもの・・ペットや大事にしていたおもちゃ、日々の時間
④夢や理想・・そこに辿り着けないかもしれない
⑤自身の尊厳・・いじめや虐待、病気


我が子は成人してしまいましたが、子育て中の方には子どもの喪失体験に寄り添って聴いてあげてほしいなぁって思いました。私が子育てに失敗したことはこんなことをわかってあげなかったからだなぁって今頃反省してます。

3.自尊感情について

「子どもの自尊感情を育てる」こと。「自分は大切な存在なんだ」「このままで生きていていいんだ」って必死になって伝えなければならないんですよね。副島さんの講義を聴きながら、「自尊感情が低いまま大人になっている方もいるのかもしれないなぁ」って思いを巡らせてしまいました。きっと我が子達も自尊感情の低い子どもだったかもって思い当たるエピソードが浮かびます。子育てする前に「どんなことに気をつけるのか」学ぶ必要があるなぁ、それってどのタイミングで学ぶとよいのだろう?って考えてしまいます。

4.SCHとは

S:safety セーフティー・C:challenge チャレンジ・H:hope   ホープ
副島さんが子ども達と関わるときに大事にしているのは「SCH」なのだそうです。「まず安心と安全である。あなたは尊い存在である。失敗していい。」ということがわかってからではないと子ども達は挑戦しない。挑戦してみてやっと未来への希望について話しができるようになる。hopeを持てるようになった子どもは自分で歩くことができる。

5.ケアする人のケア

今回参加した「地域緩和ケア研究会」には、いろんな場所でケアする立場の方々がたくさん学んでいるようです。自分自身のケアをどうしているかについてブレイクルームで対話する時間がありました。私が参加した部屋には、在宅ホスピスやDV被害者やリハビリのパーソナルアドバイザーさんや訪問看護師さんがいらっしゃいました。

この方々と対話できたことは自分の日頃の想いを振り返る時間になりました。オンラインで、初めてお逢いした方々(一人は先月のブレイクでもご一緒でした。ご縁があります。)と深い対話ができる場はとっても貴重です。私にとってはこのあったかい場所があることで「自分をケアする」ことができています。みなさんにもこういう素敵な場をご紹介したいです。

6.子どもの今を大事にする

副島さんが関わっている院内学級の子ども達は、「患者であり子ども」です。

治療中は患者ですが、それ以外の時間は「子ども」なのでしっかり子どもである時間を作りましょう。

確かにそうですよね。副島さんは、ご自分が患者になった経験を語ってくださいました。

入院するときに「歩けます」と言った僕を「決まりですから」と言って車椅子に座るように説明されたそうです。「その瞬間僕は患者になりました。」

この言葉は日頃の看護のあり方を振り返るとっても深いエピソードでした。

◎子ども達の「苦い・くさい・うぇー・いたい」という感情に蓋をして「我慢しなさい」「大丈夫だから」と言わずに共感すること
◎大人は自分で甘いもの食べたり映画見たりして紛らわせることができるけど、子ども達はできないということを忘れないこと
◎あなたはあなたのままでいいよと伝え続けること

『子ども達の感情に蓋をしないこと!!』

ついうっかり言ってしまった言葉で「喪失」を感じてしまう子ども達を減らせるように、呪文のように意識していたいなぁ・・って思いました。

7.大人の姿勢と仲間づくり

人が生きていくうえで大切なものは「援助希求」ができるかどうかで、「助けて・手伝って・・」と言える仲間がいるかどうかを子ども達は見ているのだそうです。「大人が支え合って生きていることを子どもに見せることができているか」というお話にぐらっときました。

子育て中に、他人の批判やPTAでの嫌なことばかりを子ども達の前で話していたなぁ・・って思い当たる場面があります。子ども達の感情も他人の感情も、一旦丸ごと受け止めることが重要で、その上でそれを許容するかどうかとはまた別の問題で、「受容はするけど許容はしない」と副島さんが仰っていました。

誰かの感情を受け取るのは一人では難しいから仲間を作ってくださいね。
黒いところも弱いところも見せ合えるような仲間がいると生きていきやすいですよ。

と話してくださいました。今回のような対話会にはそれを感じることができました。小澤さん、副島さん、スタッフの方々・・ありがとうございました。



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