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【2024.1.1備忘録】こんな夜だけど、こんな夜だから書く。

横になると、まだ揺れてるような感覚がある。

テレビもラジオもない自分の部屋に来たら起こったことの現実味が薄くなるんだけど、土足のまま実家の階段を駆け上がったときにぶつけた左足の脛が痛くて、あぁ、夕方の出来事は夢じゃなかったんだって思ってる。

心がざわざわして眠れない。
だけど、自分から見えてた世界をちゃんと鮮明なまま残しておきたくて、こんな夜だからこそ書いていこうと思う。

(※読むの苦しくなったらすぐ閉じてくださいね…!)


始まりは16時過ぎ、ゴロゴロしながらテレビ見てたら急に床から寝そべってた右半身に軽い衝撃。嫌な予感がした。
上体を起こして物干し竿を見たら、微妙に揺れてる。

「なんか揺れてない?」
「地震かなぁ」

なんて、正月帰省した実家で呑気に話してた。

そしたらすぐ、また揺れ。
今度はだんだん大きくなる。
大きな、大きな長い横揺れ。

人は咄嗟に理想の行動なんてできない。
大きな揺れに、やだやだって言いながら母と妹と手を握って、テレビ台の近くの場所に座ったまま立ち上がれなかった。
あれほど小学校とかで避難訓練したのに。

ガラスの置物が落ちて割れて。
うわぁ、なんて言ってたらテレビから聞こえてきた。

「津波です、逃げてください」

一瞬、理解できなかった。
今いる地元の名前が画面に映ってる。

津波が、くるの?ここに?


そっからは慌てすぎて、断片的にしか覚えていない。
何が入っているかも見ずにとりあえずリュックを掴んで、コートを着て外に出た。
緊急で仕事に向かう父に、気をつけてって言ったのは覚えてる。
あと、ガスの元栓締めたかどうかも確認した。
避難する、とりあえず無事っていう内容のLINEを、ぐちゃぐちゃの変換で送ってたのも後から確認した。

逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ

自分の身体と心が危険信号出してるのが分かった。

大事なことだからもう1回書くけど、人は咄嗟に理想の行動なんてできない。

懐中電灯とか、普段1箇所にまとめてある大事なものとか、アパートの鍵とか、結局全部忘れて家を出た。

いつもは問題無く流れて行く道も、ものすごい渋滞。大きな通りは車が全然進まない。
赤信号がもどかしかった。はやく青になってくれ。


16:28  津波到達予想時刻の2分前、まだ渋滞中の車の中にいた。
外はサイレンが鳴ってて、車のテレビでつけた津波情報を見ながら、「最悪この車捨ててあの高台に走ろう」なんて指差しながら母に言った。
言いながらすっごい怖かった。これが本当になったらどうしようって。

東日本大震災のとき、津波って地震発生からどのくらいの時間で来たんだっけとか、
ここって海からどれくらいの距離あるんだろうとか、
そもそも私たちここからどこに向かってるの?とか、

まじで何もわからない。自分の無知が余計に自分を怖くさせた。
アラートの音が自分の頭の中を何回も駆け巡ってて気持ち悪かった。

2023年に読んだ本の中で1番心に残ってるのが、彩瀬まる先生の『やがて海へと届く』だったんだよね。
東日本大震災で亡くなった女の子と、彼女の親友のお話。
たしか8月頭、旅に出る2週間前くらいに読み終わった。

亡くなった女の子の視点が、言い表せないリアルさで、大晦日に母とその本の話をしたからか、余計に怖かった。

自分の命はきっと、いつも死と隣り合わせだ。
遠くにあるものなんかじゃ無い。すぐ近くにある。


高台に逃げて、スマホを見たら、たくさんの人から連絡が入ってた。みんなからのメッセージでちょっと落ち着いた。ありがとう。
バッテリー気にしつつ、何人かに連絡返したころに、あ、ストーリーズ上げればいいじゃん、と気づいて投稿。ちょっと経ってから、Facebookも。
全員に返信したかったけど、スマホの充電が危険だったから画面は閉じた。


そこからは車でテレビを眺めてた。
気持ちを落ち着かせるために母と妹としゃべるんだけど、結局無言になってしまう。

ちょっと落ちついてきたころに、歩いて近くのコンビニに向かった。トイレと、飲食物の調達。
暗い道を歩く中、母は側溝が見えてなくて派手に転んだ。やっぱり懐中電灯大事じゃん。

着いたコンビニは漏水で天井から水がぽたぽた。
飲み物コーナーの棚の前は水溜まりになってた。
おにぎりやパンはもう何も無かった。

でも、こんなときでも働いてくれてる店員さんがありがたかった。
ここだけじゃない、行政、民間、団体、個人問わず、自分の家族や大切な人たちのそばにいたかったはずの多くのみなさん、誰かのために動いてくれて本当にありがとうございました。
どうかみなさんと、みなさんの大切な人たちが、無事に過ごせていますように。

20時ごろには実家に戻った。
幸いなことにライフラインは止まっていなくて、ご飯を食べて、荷物を整えて、シャワーを浴びて、日付が変わったころにnoteを書く気持ちが出てきました。

余震の恐怖もあるけれど、ひとまず今を生きていることに安堵。
1階で父が帰ってきた音がするからそれも良し。

誰のためなのか分からない、自分で書いておいて読み返すのもエネルギーいるnoteが出来上がってしまったけれど、みんなの無事を祈ってとりあえず寝ます。おやすみなさい。


【追記】
すごくリアルな内容だし、気持ちがしんどくなってしまう人もいると思うから、他のSNSにはシェアしないつもりです。
未来の自分のために書いて残します。
たまたま見つけてくれた人が、たまたま読んでくれるくらいが、多分ちょうどいい。

最後まで読んでくれたみんな、どうもありがとう。
私は大丈夫だから、どうか気に病まないでね🍵


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