うつ病の話《その3・終》
前後するが、病院を変わった。地元の大きな精神科の専門病院。薬も変わった。また1〜2週間ごとの通院で、薬の調整をする。
ようやく安定したのは、ここ2〜3年のこと。
実家に戻って一番大きかったのは、生活サイクルの修正。それまでは、カーテンを閉め切った部屋で、布団の中で丸まっていたし、食事もお腹が空いたらパンをかじる程度。
それを同じ時間に起床、食事、入浴、睡眠。できるだけ、太陽の光を浴びる。
そんなことで? と思うかもしれないけれど、一番効果があったと思う。全て母のおかげだ。
そして自殺未遂をしてから、やはり母の提案で、犬を飼うことになった。その時の経緯はまた別の機会に。
うちにやってきたのは、ビーグルの仔犬。最初のうちは、右往左往で思うようにならず、ちょっとしたことで大泣きして。
半年もした頃、事情を知る叔母が私の様子を見て
「変わったね、目が活き活きしてる」
と言ってくれた。
自覚はなかったけれど、確かにシャンとしてる自分がいることに気付いた。命を預かっているのだから、自分のことばかりではいけない。それが症状の好転へと繋がったのだと思う。
数年経って、やっと今の自分がいる。
30代半ばからの十数年で、恋愛もキャリアも捨てざるを得なかった。
得たものは……薬の副作用もあって、20キロ近く増えた体重💦 と、愛犬だろうか。
よく聞かれるのは
「うつ病って、どんなふうになるの?」
確かに、具体的な症状はあまり口にされない。
私の場合の症状(十人十色であることは念を押す)は、倦怠感がつきまとう。睡眠導入剤がないと眠れない。
気持ちの上では、自己否定感が強く、考えても仕方ないことを想定しては、不安感に陥る。
初期の頃は、寝ているしかなかった。常にダルくて、食事も億劫。起きていると死ぬことしか考えないから、眠る。
稀に遊びに出かけることになっても、前日から万全を期して出かけ、翌日は丸一日布団の中。つまりは2時間出かけるために、3日を費やす。
楽しいこと・好きなことならできる、とは言っても、場所を問わずに、突然電池が切れたように、すべての感覚がシャットアウトされ、座り込んでしまう。耳がうわんうわん鳴って、手足が冷たくなる。目眩と吐き気がする。
と、こんな感じ。参考までに。
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