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不動産投資におけるDSCR(2023年9月基礎編 問41)

おはようございます。🐤

今日は不動産投資におけるDSCRです…、DSCRって何でしたっけ?(冷汗)


不動産投資におけるDSCRとは

DSCR、何度聞いても「なんだったっけ?(汗)」となる単語です。私は9月の試験直後にしっかり学んだはずなのですが(もちろん本番ではわからなくて点を落としました)、約60日たった今日聞いて「なんだったっけ?(汗)」となっています。

私がこの類の言葉を覚える時はいつも、日本語訳(借入金償還余裕率)ではなく、もとの英語で理解するようにしています。DSCRは「Debt Service Coverage Ratio」で、Debt=借入金なので、直訳すると「借入金サービスカバー率」ということです。

が、これで覚えることができれば冷や汗はかきません。これで覚えられないから手ごわいのです。

さらに調べてみます。Serviceには「(負債の)利子を支払う」という意味があるので、Debt Service=借入金とその利子を支払う、ということになりそうです。近づいてきました。

次にCoverageですが、何をカバーするのかというとDebt Serviceです。では借入金とその利子の支払いをカバーするのはなんでしょう、これは単語には全く表れてこないので想像しかありません、なんとなくですが月々の収入かなと想像した上で答えを見ると、「CFADS=Cash Flow Available to Debt Service(借入金の返済に充てられるキャッシュフロー)」だそうです。また新しい敵が出てきた。

ひとつひとつ対応です、「キャッシュフロー」って何でしたっけ? これは、一定期間のキャッシュ・イン(入ってきたお金)からキャッシュ・アウト(出ていったお金)を引いたもので、簡単にいうと現金の流れに注目した「売上-経費」、つまり利益です。

同じ「売上-経費」で利益を計算する損益計算書とはちょっと違って、「売掛金」や「減価償却」など会計上の収支は考慮せず、現金の流れだけに注目するのがキャッシュフローでした。

さて、ここまでで材料は出そろったでしょうか。

DSCR=Debt Service(元利の支払い)をキャッシュフロー(CFADS)がどれだけカバーできているかの率

DSCR=キャッシュフロー/元利の支払い

ということです。もとの単語からは分子であるキャッシュフローが消えています。

これはめちゃくちゃえぐいことです。

何がえぐいのか? 普通の覚え方では覚えることができないからです。

普通は「○○率」という単語は「○○」の部分が計算式の分子に来ます。

  • PER=Price Earning Ratio=株価/1株あたり純利益

  • PBR=Price Bookbalue Ratio=株価/1株あたり純資産

  • 売上高利益率=利益/売上高

○○の部分が大きくなると「○○率」も大きくなる、いわば○○は主役です。DSCRの場合、その主役が名称から消えているのだから覚えにくくて当たり前です。DSCRは高貴な単語なのです。

私の持論ですが、数字は無機質なので右脳の力を借りないと覚えられないし理解も進みません。数字は右脳を使います。具体的にはストーリーや、ビジュアルのイメージを作ることです。DSCRは高貴な単語のイメージです。主役が出てこない映画です、そんなのある?

あった!

映画『桐島、部活やめるってよ』予告編 - YouTube

桐島がいっさい出てこない映画、DSCRはそんなイメージです。見えるのは「Debt Service」、しかし本当の主役はキャッシュフローであるべきなのです。

DSCR=キャッシュフロー(主役)/元利払い額(脇役)

つまり、DSCRはキャッシュフローが大きくなると大きくなり、借金の返済額が大きくなると小さくなります。

だからこの値は大きい方がゆとりがあると言えます。

2023年9月基礎編 問41

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級学科試験より

というわけで問題をやっていきましょう。DSCRはとっつきにくいだけで、やっている計算自体はごく簡単で小学生でもできる計算です。この問題には空室率の記述がないので、100%入室として計算します。

DSCR=キャッシュフロー/元利支払い

  • キャッシュフロー=収入-経費=2500-800=1700万円

  • 元利支払い=1440万円

  • DSCR=1700/1440=1.1805…

答えは約1.18です。どうですか、簡単だったですね。😊

すごく言い忘れているのですが、この「キャッシュフロー」には本来元利返済額が含まれています。ですが、ここで使うキャッシュフローはCFADS、つまり元利返済額を含まないキャッシュフローです。

考えてみると当たり前の話で、元利支払いに対する余裕率を計算したいのだから、それを除いておかないといけないということです。問題文中の費用には「借入金の支払利息は含まれていない」旨の記述がありますが、元金部分も含まれていません。(借入金3億円の元利均等1.5%/25年間の元金部分は990万円です)

過去の関連問題

過去問では問題文中に「空室率」が示されているので、それを忘れないようにかけないといけません。注意ポイントです。

まとめ

今日はDSCRについて、単語の意味を説明しました。

  • DS=Debt Service=元利支払い(利子を含んだの毎月の返済額)

  • CR=Coverage Ratio=カバー率

  • 何を何でカバーするのか?⇒元利支払いをキャッシュフローでカバーする

  • DSCR=キャッシュフロー/元利支払い

DSCRという名称には主役であるキャッシュフローは出てきません。レベルが高い単語です。また、Debt Serviceという耳慣れない単語が出てくるのでほんとうにとっつきにくいです。

でも、今日でほんの少しは脳に定着したでしょうか。一度覚えると計算自体はとても簡単なので、こういうの好きな人はぜひ覚えて得点源にし、他の受験生に差をつけましょう。

2か月後またこの記事を読み返してくださいね。私も覚えておかなきゃ(冷汗)

それではまた、FP~(@^^)/~~~

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