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次男に薬を飲ませるには

次男は昔から薬を飲みたがらない子どもだった。
シロップでもダメ。
粉薬も苦労した。
市販の「おくすり飲めたね」に混ぜようとすると、「おくすり飲めたね」単体でパウチパックに直接口を付けて、空になるまでチューチュー吸ってしまう。

味に左右されるが、水なしで口の中で溶かして飲むタイプの薬だと、わりと飲んでくれる。

が、見慣れない新しい薬は警戒して口に入れない。


次男が中学3年生の後半の頃から、それまでもあったものの体が大きくなってしまって、衝動性や自傷行為が激しくなり制御できなくなったため、処方される薬が増えたり変わったりした。
増えるだけなら、次男も「いつものおくすりだ」と飲んでくれたが新しい薬は飲ませるのにいろいろ考えた。

粉薬である程度少量なら、コーラに混ぜれば飲んでくれた。
しかし、薬の時間までコーラが残っていることは少なかった(あればあるだけ食べつくし飲みつくす)ので、邪道ではあるが、次男の好きな味噌汁に混ぜて飲ませることもあった。
新しくて味が気に入らない錠剤は、すり鉢でつぶして粉状にしてコーラやみそ汁に混ぜた。


入院してからも、薬の好き嫌いで飲みたがらないために、看護師さん達がいろいろ工夫して下さっているようだ。

最初ははちみつに混ぜて。
着替えやおむつと一緒にはちみつのボトルを持ってくるよう言われた。

最初の一時帰宅の頃は、ヨーグルトに混ぜ更にはちみつで飲みやすい味にしていた。


先週の洗濯物の受け渡しのとき、看護師さんがこんなことを言っていた。
「次男さんがお薬を飲むとき、最近はゼリーに混ぜて飲ませています。ただ、これは通常の食事とは別に請求しなければいけないので、ご了承いただけますか?」

薬が飲めないというのは、次男にとっても病院にとっても良くないことだ。
ゼリーの請求を「イヤです」とは言えない。


家に帰った後、次男の洗濯物を干しながら、ふと疑問がわいた。
「ゼリーって、どういうヤツ?おくすり飲めたねとからくらく服薬ゼリーみたいなの?それともウィダーみたいな飲むゼリー?」

昨日、洗濯物を届けに行ったときに看護師さんに聞いてみた。
「次男が薬を飲むときに使うゼリーって、どんなのですか?らくらく服薬ゼリーみたいなのですか?それとも…」
「あ、持ってきましょうか」

看護師さんが病棟に取りに行って(セキュリティーやプライバシーの関係で、病棟に入る前の廊下で受け渡ししているので)見せてくれたのは、介護用のゼリー飲料。
どちらかというと、ウィダーに近いのかな。

「市販のゼリー飲料をこちらで用意して、薬を飲ませるときに使うことはできますか?」
「それでもいいと思います。普通のウィダーだと毎日の分揃えるのはちょっと高くつくと思いますが、プライベートブランドのものだといくらかは安くなるかな?イオンのトップバリュとか」
「じゃあ、買い物の時に探してみます。ありがとうございます」


帰りにイオンに寄って調べてみたら、他のものが150円以上するのに対してトップバリュはギリギリ100円以下。
これで次男が飲んでくれれば…。


それにしても、次男に薬を飲ませるのに苦労しているのは、私だけじゃなく看護師さん達も…というのが、なんだか気が楽になる。


近所のドラッグストアでこんにゃくゼリーのパウチで飲むタイプのが、ひとつ90円で売っていた。
ブドウ味なら次男も飲んでくれそう。
とりあえずトップバリュのを持って行くけど、看護師さんのOKが出たらこんにゃくゼリーを用意しよう。


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