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目のチカラが弱めの岡部

次男の病院に、面会に行ってきた。
楽しみ半分不安半分で行ったが、実際はどうだったかというと…


面会の前に、次男の主治医から病状説明があった。
「興奮を抑える薬の服薬調整をしているが、一部の薬を投与すると肝臓の数値が悪くなったのでその薬は投与するのをやめた」
「最近は落ち着いてきて、部屋に入ってきた看護師に突進することはなくなった」
「身体拘束をする時間を少しずつ減らしている。看護師への突進や頭突き、点滴の針を抜いてしまうことなどは減ってきている」
「食事を捨てずに食べられるようになった」
「ベッドの上に寝ていることが多いせいか、歩いて別の部屋に移動するときなど、ふらつくことがある」などなど。

今後の目標は、少しずつ体を起こす時間を増やしていき、薬の服薬量を減らしていくこと。
普通の生活へのリハビリをすること。


ドキドキしながら次男のいる病室に入る。

ベッドの上に次男が寝ていた。
肩まで布団をかけていたのが、私ととーちゃんを見た途端に足で布団を蹴り落とした。
「といれー」
え?トイレに行きたいの?と思ったがどうやら違うらしい。

久し振りに会った次男の顔を、しげしげと見る。
電気カミソリを渡すと自分のまつ毛を切りたがり、顔に当てようとすると逃げ回るので伸ばしっぱなしになっていたヒゲがきれいになくなっていた。
髪も、最近刈ったらしく青々とした坊主頭だ。
あれ?誰かに似てるぞ。
坊主頭、切れ長の目… えーと、これは…
ハナコの岡部だ!
目の前にいる次男は岡部にそっくりだった。
ただし、本家に比べて目の力は弱め。

目力の弱い岡部は、私ととーちゃんの顔を交互に見ている。
あれ?分からないかな?
マスクをずらして顔を見せ、「次男ちゃん、かーちゃんだよ」
ようやく分かったようだ。

「(次男のフルネーム)さーん」と声をかけたら、左手を少し動かした。
声は小さいが、ちゃんと「はい」と返事もした。
大丈夫、分かってる。

次男が差し出した手を握ると、弱い力で握り返してきた。
手を握ったまま、いくつか声をかけたが、分かっているのか分からないのか、声は少しだけ出すものの返事らしきものはない。
そのうち、眼球が上の方にいき瞼に隠れそうになった。
「眠いの?寝ていいよ」と声をかけると、頑張って目を元に戻そうとする。
とーちゃん・かーちゃんが来ているから、寝たくないのか?
本当は眠いのに。

面会に許されているのは10分間だけ。
でも、次男が眠そうで声をかけると頑張って起きようとするので、もう少し時間はあったけど帰ることにした。
これ以上次男に負担をかけるのもよくない。


面会したことで、後で次男が「とーちゃん・かーちゃんと一緒に帰りたい!」と暴れるのではないかと不安だったが、後日洗濯物を受取りに行ったときに様子を聞いたら「変わった様子はないですよ」とのことだった。
次男はこの前の面会を夢だと思っていたのかもしれない。


一度会ってしまうとやっぱりまた次男に会いたくなる。
月に2回までなら予約をすれば面会できるので、連休に入る前に面会の予約を入れた。
次の面会日が楽しみだ。

今度は寝ないで起きていてくれるかしら?

よろしければサポートお願いします。 次男が壊した家の壁やその他の修理代に充てたいと思います。