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担任の先生がやってきた

我が家の次男は重度の知的障害のある自閉症で、特別支援学校高等部の3年生だ。
2年生になる少し前からほぼ10か月間、母親である私への攻撃性が強くなり、自傷他害行為も強くコントロールが難しくなったため、病院に入院していた。

高等部に入ってから(とはいえ、中3の冬休み明けからその傾向はあったけど)、登校渋りと母子分離不安がひどくなり、週一ペースで学校を休み、登校できたとしても母親と離れるのをひどく嫌がるため保護者同伴登下校授業参観付き(学校滞在時間30~60分)というのを1年やって、入院。退院後は登校許可がおりず、修了式前日にアポなし突撃登校をしただけ。

次男自身は、学校でかーちゃんと離れるのは嫌だけど友達と同じ空間にいるのは好きなようなので、時々「がっこー」と言ったり校歌を歌ってみたりして、学校に行きたい素振りを見せている。

今年度に入り、週1回担任の先生が我が家に来て訪問学習(正確な名称は聞いていないけど、そんな感じ)をしてくれることになった。

訪問学習第1回目は先週だったが、次男がよりによって先生の来訪時間の10分前に寝床に行き、そのまま眠ってしまった。
先生に起こされてとりあえず挨拶はしたものの、ほぼ寝ぼけた状態で、「こんにちは」と自分の名前を名乗ったあとすぐに寝息を立て始めたのだ。

せっかく授業時間を調整して来てくださったのに、申し訳なさでいっぱいだった。

この時は、次男について、家での様子を話したり最近頑張っているぬり絵のファイルを見せたり、学校からの配布物を受取ったりしてあっという間に訪問学習の時間が終わってしまった。


そして今日。
2回目の訪問学習。
午前中は放課後等デイサービスに行って絵合わせやシール貼りをして、定期的に決まった場所に通い作業に集中する練習をした。
家に帰って昼食後に担任の先生が来て、訪問学習の時間。
改めて、担任の先生と挨拶をして、クラスの友達のビデオレターを見たりみんなが和太鼓に挑戦している様子を見たりした。

次男はビデオレターでの友達の声掛け「元気?」や「こんにちは」に、ごく自然に手を上げて「元気」や「こんにちは」と答えていた。
え?こんなふうに反応するの?意外だなあ。
先生もこの反応に驚いて、スマホをとりだして次男の様子を録画していた。
そのあと、次男は校歌の最初の歌詞を言い出し、校歌を聞きたいと意思表示した。
私が歌詞を見て歌っても、先生が歌っても納得せず。
以前も校歌をせがまれたことがあり、そのときの次男の様子から、どうやらYouTubeやサブスクの音楽サービスに音源があると思っているみたいだった。

先生の前でいつもやっているぬり絵を見せると、先生は次男が集中してぬり絵に取り組んでいることをものすごく褒めてくれた。
次回の訪問学習では、先生が持ってきた課題に取り組む予定だ。
果たして来週は、何をするんだろう。
ぬり絵かな?シール貼りかな?なぞり書きかな?

あっという間に訪問学習の時間が終わって、先生が学校に帰ってしまうと、次男は学校に行きたくなったらしく、「がっこー(学校に連れて行って)」と言いながら私に詰め寄ってきた。

次男は学校が好きなのだ。友達と同じ空間にいたいのだ。
でも、学校に行ったら家族から離れてそこで数時間過ごさなくてはいけない。
はたして、今の次男の状態でそれができるかというと…? 難しいだろう。

訪問学習がいいのか、実際に頻繁に登校して短時間で帰るのがいいのか。
どっちがいいのだろう?
たぶん、正解なんてない。

よろしければサポートお願いします。 次男が壊した家の壁やその他の修理代に充てたいと思います。