大学生のための無内定入門
はじめに
就職活動を略して「就活」と呼ぶ。
我はこの「就活」とやらに見事に失敗することができた。
体育会系ウェイは残念ながら大手広告代理店に内定してしまい、意識高い系サークルの幹事長は無慈悲にも総合商社に内定を授けられた。
ああ…我のように無内定で卒業することが叶わなかった人間。
これ以上犠牲者を出さないためにも教えてあげよう。
「無内定」を獲得する方法を。
1 学生生活は何もするな
以下の行為を禁ずる。
・学業に専念すること。
・部活動に励むこと。
・バイトに一生懸命になること。
・趣味に夢中になること。
・サークルに入ること。
・友達を作ること。
楽単の講義を思考停止で受講して、まっすぐ家に帰って動画を見ていれば良いのである。
前述の六つの戒めを守ることで、「学生時代頑張ったこと」、「自己PR」などを白紙で出すことができる。
貴重な学生生活を無駄に過ごすことが、「無内定」への重要な役割を果たすのである。
2 企業選びは何となく
「無内定」獲得のコツは、自己分析及び企業研究を怠ることである。何となく企業を選ぶのが大切である。
我の例を示しておこう。
―堕落した学生生活―
キー局(一次面接落ち)
↓
電〇(OB訪問のみ)
博〇堂(説明会のみ)
中堅の広告代理店
↓
ネット広告代理店(全落ち、インターン参加)
↓
テレビ番組の制作会社
↓
弱小IT
↓
中古車販売会社
あくまでも一例である。しかし、「無内定」の王道である。大手で華やかなイメージのある業界を何となく志望すれば「無内定」の確率は大幅にアップする。
なぜなら、周りの人間は、陽キャ・チートスキル持ち・体育会系などが多いからである。
彼らの雄弁なガクチカを聞いた後に、「ようつべ見て寝ていました」とほざく就活生がいたら人事はどう思うか。
「こいつなんやねん…いらね」と思われるに違いないのである。
つまり、人事から「無用」の烙印を押される。これで良い。
3 不規則な生活をすべし
1と2を実践すれば「無内定」は得られる。3はダメ押しである。
就活中は昼夜逆転するのが良い。
我も就活中は昼夜逆転をしていた。こんな感じである。
13:00 面接
14:00 上野で一杯
16:00 帰宅
17:00 仮眠
20:00 覚醒
21:00 飯、動画視聴
23:00 TSUTAYAでDVD借りる
0:00 DVD視聴
4:00 暴れん坊将軍視聴
5:00 DVD返却
6:00 就寝
この生活を実践すれば、本番の面接ではフワフワした状態で臨むことが可能である。
ただでさえパッとしない経歴に、面接でのクソ応対が加われば、「無内定」間違いなし。
「無内定」人間の後日談
我の「就活」は自然消滅した。
周りが不幸にも「内定」を取得してから4か月くらい経っていた。
ゼミの人間はすでに卒論のプロトタイプが完成していた。だから、「就活」に見切りをつけて、卒論の完成を優先した。
エナジードリンクとハイライトメンソールを大量摂取し、何とか間に合った。
卒論を提出したらあっという間に大学卒業。
「無内定」のまま卒業という快挙を成し遂げたのである。
諸君にも味わってほしい。
卒業旅行ヤッホー、社会人ワクワクとは異なる感情。
例えるなら、、、
「と゛お゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛!」
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