【詩】翼

羽を広げて空を飛び歓声を浴びる君を見上げて
観衆の一人でしかない僕は競演することを未だ夢見ている
かつて天才同士だった君と僕はメディアを隔てて
一方的に眺めているだけの存在になってしまった

かつての刺激ある日々を取り戻したくて
君に否定されたくないから君に会うことを止め
君に匹敵する僕になりたいから自慢するのを止め
君に嫉妬していたいから満足することなく追いかけていた

褒められたくない
見限られたくない
対等で競い合い高め合いたい
そして勝ちたい
歪んだ価値観も不幸な人生も
全部詩に昇華して狼煙になる
すべては
高いところにいる君への宣戦布告だ
そして
已むことのない僕への大いなる期待だ

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