私が自宅出産を選択した理由④
年始、お産の日の投稿をサボりましたが、今年も自分のペースでボチボチやっていきます。(noteの更新は、お産の日(毎月3日)でもなく不定期となるでしょうwww)
シリーズものではありますが、どの投稿から読んでも楽しめるものになっています。
前置きはさておき、自宅出産は日本の文化です。たくさんの知恵が受け継がれ繋いできたものですが、病院出産がメインの昨今、分娩時に医療が介入しないお産を見たことがない医師も増えていると聞きます。自分の体験から自宅出産の文化を守っていきたいと感じたので、体験記を発信しています。今回は、「気をつけていたのに起こってしまったトラブル」についてです。
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健診は順調に進み、赤ちゃんも元気に育っていたが、妊娠6ヶ月を迎えた頃、クリニックでの健診で予期せぬ事態が発覚した。
「恐らく、ストレスや疲れで子宮が収縮している。」と医者に告げられた。エコーを見ても子宮が丸い形ではなく、瓜型に変形していたのだ。その影響で赤ちゃんも窮屈そうにしている。
「尿にタンパクも出ているから注意した方がよい。これ以上ひどくなるようなら、早めに産休を取ってもらうことになる。」と説明を受けた。
なるべく赤ちゃんに負担がかからないように…。
私は好奇心旺盛な性格だ。動きたい気持ちがたくさんある。外出をセーブすることにより、ストレスの発散方法がわからなくなった。
また、私は特別支援学校の教員をしているが、職場では赤ちゃんと私のために配慮があり、制度上、校外学習や野外での活動ができない。動くことが大好きで元気いっぱいな子どもたちとの接触をなるべく控えることになった。外遊びができなくなった。
赤ちゃんと自分の体の状態があまり良くないことは、職場に伝えなければいけないことだったとは思うが、これ以上働き方が変わってしまったら…と思うと、なかなか言い出せずにいた。
ストレスや疲れとは…
何がいけなかったのだろう。
考えても答えが出ない中、急遽、斉藤さん(助産師)が健診に来てくれることになった。仕事終わりで夜にも関わらず来てくれた。
今回は、エコーを見ることはなかったが、触って様子を確かめてくれた。優しい手の温もりに反応して、赤ちゃんが元気に動く。
まだ、それほどお腹が目立つわけではないが、内部では日々成長している。負荷がかかると子宮が収縮し硬くなり、張ることがある。骨盤は赤ちゃんの成長に伴い、緩むようにできている。そのまま緩みっぱなしでは身体に負担がかかる。自分の内臓も赤ちゃんも下がってきてしまう。しっかりとインナーマッスルを使い、子宮を引き上げる必要がある。腹部は柔らかく、でも、適切に筋力を使えていることが大事なのだ。骨盤が緩むと筋肉で何とかしようとして腰痛の原因にもなる。サポートするために腹帯を使うとよいというのは、妊婦ならよく見聞きする。私も購入し使っていたが、腹帯の使い方を改めて教えてもらい、目から鱗であった。毎日着けていたのだが、使う物や使い方に問題があったことを知った。
市販で売っている腹帯は赤ちゃんを圧迫している。素材も体を冷やすものであったり、通気性がよくないものであったりする。冷えが母子の状態をとても悪くする。サポートのために使った腹帯もやり方次第では、逆効果となるのだ。
このとき教えてもらった腹帯は、綿でできた「サラシ」であった。「一反もめん」のような長い一枚布である。こんな布で支えることができるのか?と疑問に思ったが、教えてもらった手順でやると心地よく支えることができた。驚いたのは、これまで使っていた市販の腹帯に比べて支える位置がだいぶ低いところだったこと。お尻から恥骨のあたりをしっかり支え、腰痛も軽減した。また、腹帯を巻くときには仰向けになり、膝を立ててお尻を高くすることで子宮を上に上げる。この「骨盤高位」の姿勢が様々な不調の改善に役立つことがわかった。
斉藤さん(助産師)による健診では、腹帯の使い方だけでなく、疲れを取るためのマッサージの仕方を教えてもらった。斉藤さんの健診は、自宅で行われるため、かなりの確率で旦那さんも一緒に健診に参加する。
斉藤さんは私だけにアドバイスするのではなく、必ず旦那さんにもアドバイスをしてくれる。今回は、マッサージ方法を教えてくれた。自分一人でできるものもあるが、夫婦で行うことに意味があるという。愛情ホルモンや信頼ホルモンなどと呼ばれている「オキシトシン」は、妊娠の継続や出産、そして子育て中を支えるものであるが、夫婦での関わり合いから生まれるそうだ。ストレスの軽減にも効果がある。
私は、何らかのストレスや疲れで妊娠の継続が危うくなった。斉藤さんに何がいけなかったか聞いてみると、今の社会の仕組みが原因かもしれないと感じた。
「妊娠は病気ではなく、日常生活だ」というこの言葉を思い出してほしい。私たちは、妊婦さんへの配慮から「動かなくていいよ。」「たくさん食べてね。」などと声を掛ける。
これは、とてもありがたい配慮ではあるのだが、実は妊娠の継続を妨げる可能性がある。動かないことにより、筋力は衰え血流は悪くなり、関節も硬くなる。切迫流産の原因にもなると言う。そこまで来ると本当に安静にしなくてはいけない。
近年、切迫流産と診断される方はとても多い。職場でも、切迫流産になり途中で早めに産休に入られる方がたくさんいた。昔は、切迫流産などあまりいなかったわけで、現代人の生活スタイルが大きく影響しているのだという。足腰を使った家事や運動を日常生活にしっかり取り入れることが不足しているのだ。できるだけ、妊娠前と変わらずに過ごすことが重要なのだそうだ。
このことは、現代の制度だと真逆をいっているのかもしれない。女性の権利が守られ、制度上優遇もされるようになったが、人間としてはどうだろう?女性として一括りにされることで、個人として見てもらえないこともでてきた。ハラスメントもそうだ。一方だけの肩をもつような風潮や極端な制限により生きにくさを生んでいる。
もっとそれぞれの自身にあった生活スタイルがある。
妊婦によっては、仕事をセーブしたいという者もいるだろう。重労働はやめてほしいという者も。でも、私のように動くことでストレス発散になるタイプの者もいる。私が本当に望んでいたのは、動きを制限されることではなく、始業前に身体を整えるために体操をする時間や身体を休めるちょっとした休憩時間だった。その時間があることで、身体に負荷なく働くことができたと思う。
社会的に制度が確立していることは有り難い反面、まだまだ改良の余地はある。制度だからと型にはめるのではなく、柔軟に「あなたはどうしたい?」と選択肢がある社会になっていくことを望む。
また、制度は柔軟に変わっていってもいいと思う。一度できてしまったものは、なかなか変えにくい世の中だが意見を聞いて変えることも大切だし、時には元に戻すことも必要だ。
斉藤さんの健診後から、体操や腹帯、マッサージなど教えてもらったことを実践していくことで、次のクリニックでは子宮の状態が改善しているとの診断結果が出て安堵した。
⑤へ続く…。
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