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教室内の「落し物をゼロにできる!!」 ちょっとの工夫 〜学習環境を整える②〜

「学習環境を整える」シリーズの第2回は、学習用具の扱い方・管理の仕方です。学習で子どもたちが最も使用する、鉛筆消しゴムのことを書いてみようと思います。


教室内の「落し物をゼロにできる!!」 ちょっとの工夫 〜学習環境を整える②〜

机の上の物の置き方

ベーシックだと思いますが、向かって前方を上、とした時、上部中央には筆箱(箱型)、その下に教科書やノートを置きます。それだけです。
鉛筆や消しゴムを出した時は、書く時以外は、筆箱の手前に置きます。
そうすると教科書・ノート類と筆箱の間に挟まれ、床に落としづらくなります。
この、物の管理の仕方って、結構重要だと思います。物の管理は、「たかが物の管理、されど物の管理」なのです。

鉛筆や消しゴムの落し物が多い

鉛筆や消しゴムの落し物が多いと思いませんか?
落とすということは、しっかり管理ができていないのです。
限られた机のスペースでは、教科書・ノートの上や横などに置いた鉛筆や消しゴムは、あっという間に落っことしてしまいます。

対策は、単純です。
鉛筆消しゴムは、書くときに筆箱から出させ、合間に話を聴く際は決まった場所(筆箱の前)に置かせます。また、別の活動をするときには筆箱にしまわせます。書くことが終わったら、筆箱自体をしまわせます。そうすることで、落としたり無くしたりすることなく、いつまでもキレイに丁寧に使うことができます。
これだけで、落し物はほぼゼロになりました

物を大切に扱うこと

これをやる前までは、落し物箱はいっぱいで、落とし主もわからず、学期末や年度末に扱いに困る、ということがザラでした。落とし主が出てこない、ということは、自分のものを把握していない、興味がそれほどない、大事にしていない、ということです。
例えば鉛筆を机にカンカン叩きつけて音を出す子がいます。それをやめさせる際に、「それをやると、中の芯が折れてしまうんだよ。芯が折れると、鉛筆を削っても、折れた芯がぽろっと落ちてきて使えなくなっちゃうんだよ。お家の人に用意してもらった大切な鉛筆、大事にしようね。」と、必ずその意味を教えます。
意味をしっかり伝えることで、他の子どもたちにも伝わり、次に同じようなことがあった時に、互いに教え合うことができるようになります。これは、他の様々なルール、状況においても同じですね。こういったやり方を徹底するだけで、子どもたちは鉛筆や消しゴムを大事に扱うようになります。

鉛筆、消しゴムだけではなく、どんなものについても、同じように指導します。すると、自分のものを大切に丁寧に扱うようになります。自分のものを大切にできると、学校のもの、友達のものも、大切に丁寧に扱うことができるようになります。
「ものを大切に扱うこと」、これは、学力以前に、生きる上で結構重要なことだな、と思います。

以上で書いたことは、結構「細かいなあ」と思われるかもしれません。確かに、こういう細かい指導がしやすいのは、1年生ならではかもしれません。しかし、上の学年でも不可能ではないと思います。
これが定着すると、1年生の3学期には、多くの子が、言われなくても鉛筆を出すタイミングとしまうタイミングを自分で適切に判断し、ものを丁寧に扱うことができるようになるのです。こういう子たちに育てば、あとはとても楽です。

鉛筆削り

鉛筆削りを家でやってくるように伝えるのも、とても大事です。これができないとどうなるか、経験者ならわかりますよね。
授業中でもなんでも、筆箱についている鉛筆削りで削ることになります。あちらでもこちらでも(笑)筆箱の中に鉛筆は5本ほど入っているので、時間もかかります。しかも中の芯がポキポキ折れていてうまく削れないと、何度も短くなるまで削ることになり、その鉛筆削りジャーニーからなかなか戻れなくなります。

ご家庭にも入学説明会の折りから伝えますし、お便りでも知らせるので、初めは家の人がきっちり準備をしてくれたりしますが、ずっとは期待できません。だんだん手を離していきます。

もちろん、誤って折ってしまったり、うっかり忘れてしまって削りたくなることもあります。そういう時は、休み時間に削っていいことにします。5本くらい持っているので、別の鉛筆を使えばいいのです。
鉛筆削りは、授業中にはしないことを約束にします。それを伝えるときも、ちゃんと理由を伝えます。というより、これくらいであれば、理由を1年生でも一緒に考えられます。理由を考え、その意味を理解することで、ルールを守れるようになります。これはどんなルールや約束にも言えることですね。

以上は難しいことでもないですし、いつからでも始められます。ただ一つのポイントは、定着するまで毎日根気よく声をかけ続けることです。でも、そう時間はかかりません。7月ごろには物の扱い方はしっかり定着し、新1年生でもほぼ全員ができるようになりました。これらの筆記用具の扱いが定着すると、クラスの落し物が格段に減り、落し物があってもすぐに持ち主がわかるようになります。
たったこれだけのことで、教室内が綺麗になりますし、子どもたちの安心感と落ち着きが増します。物を大切にする空気ができ、それは温かい空気だなと感じます。


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