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2024年9月、洋上風力発電の世界的サミットが札幌で開催!

「Global Offshore Wind Summit - Japan 2024」が9月に札幌で開催される。主催者であるGWEC(GLOBAL WIND ENERGY COUNCIL)は、80カ国以上の1,500を超える風力エネルギー部門の企業、組織、機関で構成されている。GWECは風力発電産業のイベントを世界各国で開催・支援しており、地球温暖化対策を話し合う国際会議・COPでの影響力も大きい。

再生可能エネルギーの中で、最も導入ポテンシャルが大きいのが洋上風力発電だ。特に北海道では、洋上風力(着床式・浮体式の計)の導入ポテンシャル量は全国の約29%を占めている。今回は、世界と日本のエネルギー事業から見た、北海道の洋上風力発電について解説する。

世界のエネルギー事業


現在、世界の温室効果ガス排出の大部分はエネルギー部門と産業部門が担っている。2019年の世界の温室効果ガス純排出量の58%は、これら2つの部門によるものだ。産業革命以前に比べて気温上昇を1.5℃に抑えるためには、2030年までに世界の再生可能エネルギー容量を2023年の3倍にしなければいけない。風力エネルギーでは、10年後までに年間導入量を3~4倍に拡大する必要がある。このペースでの導入が進めば、風力エネルギーは2030年までに世界の電力の5分の1を、2050年までに世界の電力の3分の1を担うことができる。

日本のエネルギー事業

出典:資源エネルギー庁「今後の再生可能エネルギー政策について」を元に作成


世界の国々では再生可能エネルギーが占める割合が増加している。中でも風力発電は各国で盛んに導入されており、イギリスやドイツでは20%以上を占める。日本でも全体の19.8%が再生可能エネルギーとなっているものの、風力発電は全体の0.9%にとどまっており、EUの15.4%、アメリカの8.1%と比べてもまだ低い状態だ。今後、洋上風力をはじめとした風力発電の開発によって、この割合を2030年には5%まで伸ばすことが目標とされている。

北海道での洋上風力導入の取り組み

国から選定された「有望な区域」の5つ

2023年5月には「石狩市沖」「岩宇・南後志地区沖」「島牧沖」「檜山沖」「松前沖」の5海域が、洋上風力の整備に向けて具体的な検討を進める「有望な区域」として国から選定された。いずれの区域も北海道の日本海側に位置しており、5つのエリアで計15個の洋上風力発電プロジェクトが行われる。

その内の1つ、石狩市沖の石狩湾新港に建設された高さ196メートルの風車14基からなる発電所が、2024年1月1日午前0時から商業運転を始めた。1基あたりの出力が国内の一般的な風車の2倍で、14基あわせて一般の家庭およそ8万3000世帯分の電力を発電できる。

この洋上風力発電所は国内最大級であるが、5つの区域の洋上風力の最大出力385万5000kW(すべての風車を着床式で設置した場合)のわずか3%にすぎない。北海道の洋上風力建設は、これからますます加速していく。

参考
[1] 06-1_北海道洋上風力発電パンフレット(R4年度作成).pdf (hokkaido.lg.jp)
[2] Global Offshore Wind Summit - Japan 2024 - Global Wind Energy Council (gwec.net)
[3] 国内最大級 石狩湾新港沖洋上風力発電プロジェクト工事本格化|NHK 北海道のニュース
[4] 風の宝庫が本格始動!北海道沖5海域 事業化へ大きく前進|ウインドジャーナル|風力発電のビジネス情報サイト (windjournal.jp)
[5]040_01_00.pdf (meti.go.jp)

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