秋草2024年10月号を読む
秋草2024年10月号を拝受しました。通常だと月をまたいでいただくことが多いのですが、今月は9月中にポストに届いて驚きました。
結社誌「秋草」は、主宰と会員作品のほか、会員による田中裕明や高野素十といった作家研究や俳句結社誌「青」や「ゆう」の考察、各個人の結社内活動(後援会(昭男先生に句を定期的に診てもらう1対1句会のようなシステム)や稽古会)の報告、などにも多くページが割かれています。研究ページは、今まで知れなかった作家や作家の裏側を知ることができて、個人的にこの特集が気に入ってます。
秋草の結社誌は、なかなか目にしていただく機会が少ない結社誌の一つだと思うので、その触りでもご覧いただけたらと思い、今回から定期的に更新していこうと思っています。
印象に残った15句
選びたい句はたくさんあったのですが、特にその中でも、こういう措辞の運び方、こういう取り合わせがあるかと、印象に残った句を挙げます。
印象に残った特集
西垣熾ノート
秋草に入会してから、初めて俳句をつくることになった西垣熾さんによる「西垣熾ノート」がとても興味深かった。
俳句を作るときに、どこに俳句のヒントがかくれているのか、どうすると説明的になったり、季語が動くことになったりするのか、という点が、熾さんによる視点で語られている。これがとってもわかりやすい。
このノートを通して、昭男先生が普段の句作で気にしていることもわかって、あーこうやって、平明で、素直で、くっきりとした句が出来てくるのかということがすごく理解できました。なるほど……!
掲載句について
今月号より私の作品が掲載されるようになりました。初めての投句は2句掲載でした。
7月にあさがほ句会(東京句会)に参加して、その月の末に入会。昭男先生にはメールで7句送ってくださいという指示があり、句会で取っていただいた句を含めて送りました。
今回の掲載句、どちらも句会では取られていない句(一つは句会に提出した句をさらに推敲した句)で、逆に句会でとられた句は残ってなくて、ちょっとびっくり。そして、季語まわりが、ぐだぐだっと、飾りたてられている句がバッサリと切り落とされていました(汗)
個人的に「秋草」の句や句会で思うのは、季語の純度であったり、季語に託す言葉の力があるなということ。そのために、季語以外の部分は多くを語らない、修飾しないような措辞のあり方が改めて求められているなと。「秋草」は、取り合わせと言われることが在るのですが、どちらかと言えば、季語そのものを深く見つめる、というような句(一物仕立ての句など)が多いなという印象を持ちました。なので、季語の世界をよくみて、そこから広がる世界を、素直に句に落としていくようにしようと思った次第です。
今回の投句では、「指示語」を使った句と、「地名」を使った句を意識してたので、その部分の評価の是非がみえて、勉強になりました。「動詞+見え」の表現は、波多野爽波の句にあって、一度使ってみたい措辞だったので、これが取られて個人的に嬉しかったです。
昭男先生、ご多忙のところ、選句をしていただき、ありがとうございます。
小泉和貴子第一句集「あやとり」について
また今回、「秋草」会員である小泉和貴子さんの第一句集「あやとり」もご恵贈頂きました。まだ会員になりたての私にもご配慮くださり、心より感謝申し上げます。この句集についても、近日中に感想を投稿していこうと思います。
追記
「秋草」の東京句会(あさがほ句会)が知られていない件
何人かの人に「秋草って、東京でも句会があるんですね!知りませんでした」と言われて、関西の結社というイメージが強いんだなあと感じました。また、秋草の結社誌を見たことがない人も多くいらっしゃるなと。
自分が調べた限りだと、俳人協会の図書館で、結社誌を閲覧できるようです。機会があれば、ご覧になっていただけたらなあと思いました。
(句会については、対面のほか、メールや夏雲システム、ZOOM(不定期)もあります。それらの句会にも昭男先生は基本的に参加していて、それぞれに句会の体験を受け付けているとのことです。)
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