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興南高校俳句部部誌「海光01」を読む

今年の俳句甲子園で準優勝した興南高等学校の俳句部部誌「海光01」を、顧問であり、俳人である安里琉太さんより頂戴しました。

私は、俳句甲子園というものを通らずに、俳句を始めたので、俳句甲子園を通して、俳句を詠むということはどういうことなのかということを少し知れた気がしました。
在校生の句のほか、卒業生の句、顧問の句、俳句甲子園の振り返り、顧問の安里流太さんによる作品評、ポケモンのキャラクターに例えた部員紹介もあり、大変楽しく拝読致しました。

以下、感銘を受けた句を挙げます。

在校生
コスモスや野の鍵穴に明かり棲む  知名凛音
片頬に飴玉のある夏休み  新妻美佳
氷瀑の芯より青の深まりぬ  崎原柚
ボラードの灼けたる様を見て触る  玉榮大誠
靴ずれは綿菓子の色夏はじまる  仲間涼乃
猛暑なるピクトグラムに日が射して  佐久間健一郎
雨蛙石敢當にしがみつき  速水彩華
ビル街に生まれし君の千歳飴  澤村裕大
包丁のクリスマスケーキを流す  知念ひなた
冬牡丹手におさまれる友の顔  川原すずか
切片と焚火の味のするコーラ  與那嶺陽大
榎茸誰でも雇っているらしい  渡邊一樹
整体に何の賞状草の餅  天久大輔
タコライス行く春の絡まり具合  下園茉央
蜜蜂と目配せで譲り合ふ道  安里由梨

卒業生
車椅子漕ぐ手の軽く小六月  鶴岡夏鈴
ぐずぐずの顔を揺らして蝗煮る  棚原きらら
月白に切手の端の乾きゆく  浜崎由依
茶袋の不織布やはき霜夜かな  山田祥雲
籠枕深山の碧き冷えをもち  安里恒作

顧問
慎ましく駅弁に柚子華やぐ日 吉川葉桜
花浴びて蜷の目覚のひとつづつ 安里琉太

今年の俳句甲子園で記憶に残る句を沢山発表してくださった高校の一つが、興南高校だったと思います。今年の興南高校は、先に行われた短歌甲子園で優勝されており、俳句を読みながら、短歌の作品も気になりました。今後の興南高校の活躍も楽しみです。


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