高濱虚子五句集を読む④
第四句集「六百五十句」は、昭和21年(1946)~昭和25年(1950)の句をまとめた句集。昭和30年(1955)4月発行。序文に、ホトトギス650号を記念して発行されたと一言添えられています。
感銘を受けた句を以下に挙げます。
この句集では、
の句も収録されています。
今までの句集もそうなのですが、高濱虚子が常に新しい表現を挑戦して続けているという印象をやはり持ちました。
風花の句は、抽象的な措辞が放り込まれることで、逆に風花の具体的さが際立ってきてるように感じました。また、「万緑」の句は、巨大なもの×巨大なもの×巨大なものの組み合わせで成り立っていて、俳句のセオリーの一つとして、近景と遠景、大と小といったものに対して、すべて大でぶつけていくということで、より大きな景を生み出しています。そして、「山雀の」について、「をぢさん」というものがひょいとでてくることで、俳句の景がぐんと広がっているように思いました。
どの句にでてくる人も魅力的に描かれている事が多くて、読んでいて楽しい句集の一つでした。(つづく)
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