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2022年9月の記事一覧
書評_自分の心が満たされないと_人を幸せにできない__わたしも家族も笑顔にする__幸せキッチン
22年間で7,000人以上に料理を教えてきた著者は、かつては料理が苦手で、子育てをしながらの料理の時間はとても憂鬱だったそうだ。なぜなら、家族の健康のためと頑張れば頑張るほど義務感を感じ、自分自身が味わい楽しむことができなかったという。 そんな時、毎日忙しく疲弊し笑顔のない母の表情を目にした著者の娘の一言がダンドリクッキング開発のきっかけになったという。栄養バランスがとれた献立や買い物、調理から冷蔵庫の使い方など料理全般に関わる動きを効率化し、手際良く楽しく早く料理ができる方法を生み出した。それがダンドリクッキングだ。 本書には、夕方疲れた時にたった10分でできる疲労回復メニューや、週末余った材料でできる簡単メニューなど、著者おすすめのテーマ別、簡単に作れる10の時短レシピと料理の出来上がり写真がカラーで掲載されているため、誰でも簡単に作ることができる。 かつては、時間に余裕がないと心にゆとりが持てずにイライラし、周りの人のことまで考えられなくなってしまったこともあったという。しかし、時短料理を行うことにより、やらなければいけない料理から食べてくれる人の笑顔を思って作り、自然と自分も笑顔になり、周りにも良い影響を与えているそうだ。また、時間の余裕ができたことにより気持ちの余裕もでき、新しいことにチャレンジしたいと思えるようになり、毎日の料理の変化により自分の人生も大きく変化させることができたのだ。 わたしも家族も笑顔にする 幸せキッチン 作者:遠藤 早智 自由国民社
書評_人々の行動を分析してお金に変える__革命のファンファーレ_現代のお金と広告
著者は吉本興業のお笑いコンビ、キングコングの西野亮廣氏。 累計発行部数70万部を記録した絵本『えんとつ町のプペル』の脚本・監督を務めている人物。 この書籍は、絵本をヒットさせるために超分業制を取り入れて各クリエイターの得意技を合わせることで作品のクオリティを高めたこと。 発売前にクラウドファンディングにより1万冊の予約販売、発売後のプロモーション活動の布石を打ったこと。 広告費を使わずにマスメディアに取り上げられる、各種SNSに露出する戦略など、著者が使った手法が惜しげもなく公開されている。 著作がヒットした要因は、知名度がある芸能人の作品だったこともあったと思う。 しかし、販売前から「絵本を購入する客層」「消費者が絵本を手にするプロセス」「AmazonなどECサイトがリアル書店を駆逐している現状を捉えた販売戦略」など綿密にマーケティングをして対策していたことが大きい。 また、発売後にTwitterなどにつけられたアンチコメントさえ拡散力に変えてしまう西野氏の先見力、度量の大きさに驚愕。 絵本製作や販売の裏側以外にも「そもそもお金とは何か?」「現代の著作権の在り方」「インターネットが浸透することで実力が露わとなるエンタメ業界」など少し先の世界について気づきを得られる。 世の中の仕組みはもちろん、大衆のとる行動を論理的に予想して販促力に替えてしまう、天才の発想を知れる驚きの一冊。 革命のファンファーレ 現代のお金と広告 (幻冬舎単行本) 作者:西野 亮廣 発売日:2017年10月4日 メディア:幻冬舎