【R6.3.24】高松宮記念の予想

【はじめに】

 今年の高松宮記念、私の本命はテイエムスパーダです。
 考えれば考えるほどテイエムスパーダの単勝を買うしかないという結論になってしまい、逆らうことが出来なかったので、ここはピンかパーの逃げ馬であることは重々承知の上で、欲望に従って勝負したいと思います。
 まず、この本命に至るまでの経緯を説明した上で、相手や馬券の組み方について書いていきたいと思います。

【本命に至るまでの思考】

【まず血統】

 週頭に投稿した「高松宮記念を考える」でも書きましたが,このレースを勝つにはとにかくサンデー系の血、芝の中長距離適性を高める要素が邪魔です。
 改修工事前も含めて直近20年、馬場状態を問わず父、母父ともに非サンデー系の馬が多く勝利しており、サンデー系を持っていたとしても
・ナランフレグ(父ゴールドアリュール)
・コパノリチャード(父ダイワメジャー)
・キンシャサノキセキ(父フジキセキ)
・ファイングレイン(父フジキセキ)
・スズカフェニックス(父サンデーサイレンス)
・オレハマッテルゼ(父サンデーサイレンス)
・アドマイヤマックス(父サンデーサイレンス)
 とサンデーサイレンスの直子か、ダート要素のあるサンデー系、単距離に適性の高いサンデー系と中長距離要素の薄いサンデー系しか勝ってはいない。(馬券内もほぼ無い)
 なので、本命をどれにするかと考える時に、この傾向から外れたくはない。今回のメンバーだと、父、母父にサンデー系を持っていないのは
・ビッグシーザー
・マッドクール
・ルガル
・テイエムスパーダ
・シャンパンカラー
・ビクターザウィナー
・ロータスランド
・ウインカーネリアン
・ママコチャ
・シュバルツカイザー
 だが、この内、ルガルとシャンパンカラーはドゥラメンテ産駒であり、適性は芝の中長距離が強く、ルガル以外に単距離で活躍馬は出ていない。
 例外であるルガル自身が出ているのでそこまで気にする必要は無いのかもしれないが、血統面からは中々強調しづらい。
 なので、上記の10頭からその2頭を外した8頭の中から本命は考えていきたい。

【馬場と枠】

 今週は中々天気が定まらず、馬場がどうなるか分かりませんでしたが、土曜日は雨量はそれなりに降りましたが重馬場まで、JRAさんも雨に備えてかかなりクッション値を高めに設定しており、土曜日は雨でもそこまで傷みが進行しませんでした。
 土曜日朝6時30分時点のクッション値が9.8、14時ごろに雨が止んでからそこからは乾く一方なので、日曜の朝時点でも9.0前後はあるんじゃないかと思います。日曜の天気予報も午前中は曇り、夕方から雨が降るかどうかというところなので、もしかしたらこのまま回復し続け、稍重~良まであり得るんじゃないかなと。
 また、土曜のパトロールを見返しても、荒れているのはコーナーのみであり、土曜日の競馬が下級条件、頭数もそこまで多くないレースが多かったこともあり、直線は内を含めてそこまで荒れておらず、外まで持ち出さずとも十分勝負ができる状態が維持されています。

 基本的に中京競馬場はイン有利と言われますが、その理由はご存知のとおりコーナーがスパイラルカーブになっているから。
 角度がそれなりに急なコーナーを下りながら回るので、内ラチから離れれば離れるほど遠心力が強くなってしまい、スピードの出るスプリント戦ではそれが顕著にレース結果に影響してしまいます。
 また、遠心力の影響で負荷が高まるとともに、スピードに乗ろうとすると外に張り出してしまうのでインをコンパクトに回った馬に比べてコースロスも大きくなり、他のコースでコーナーを回るのに比べてかなり不利が大きいコースレイアウトとなっています。
 外枠からこの不利を受けないように立ち回るには、極端なレースをするしかなく、稍重~良で7枠より外から馬券になった馬は
・7枠15 ハクサンムーン 通過順位2-2
・8枠16 ミッキーアイル 通過順位4-4
・7枠13 ハクサンムーン 通過順位1-1
・8枠17 サンカルロ   通過順位10-12
 と極端な戦法を選択することで遠心力による負荷やコースロスを抑えることで枠の不利を克服しています。今回のメンバーでこの戦法を取れそうなのはウインカーネリアンとマテンロウオリオンくらいで、あとは中々そこまで極端なポジション取りは狙いづらいんじゃないかなと思います。
 雨の影響が思ったより少なく、内が使える状態でレースを迎えられそうな今年はやはり内目の枠から狙いたいですね。

【展開想定】

 改めてメンバーを眺めた時に、前に行きたい馬と控えたい馬がはっきり分かれたなと思います。
 逃げたいのが
・モズメイメイ
・テイエムスパーダ
・ビクターザウィナー
・ウインカーネリアン
 の3頭
 先行したいのが
・ビッグシーザー
・マッドクール
・トウシンマカオ
・ルガル
・シャンパンカラー
・メイケイエール
・ママコチャ
・ウインマーベル
・シュバルツカイザー
 控えて末脚を活かすような競馬をしたいのが
・ナムラクレア
・ソーダズリング
・ロータスランド
・ディヴィーナ
・マテンロウオリオン
 かなと大雑把にとらえていますが、近走のレーススピード、位置取りなんかを考えても概ね間違っていないかと思います。
 逃げ、先行のボリュームが大きく、ポジション争いがかなり激しくなりそうですが、特に重視したいのが逃げ争い。
 スタートの一歩目はビクターザウィナーかモズメイメイが早いですが、二の足はテイエムスパーダが早い。ウインカーネリアンはこれまでマイルを使ってきた分スピードの問題でちょっと前を取り切るのは難しい。スピードだけで考えると隊列、展開は読みづらいが、これまでのレースを見るとモズメイメイはスタートで前に行けて他に逃げのライバルがいなかったときは逃げているが、無理して何が何でもという感じではなく、ビクターザウィナーは2走前に外からジャスパークローネが主張してきたときはあっさり引いて番手に納まっている。それに比べてテイエムスパーダは2走前のスプリンターズSこそジャスパークローネに被せられて前を取り切れなかったが、常にハナを取り切る姿勢を見せている。
 枠並び的にもビクターザウィナーがテイエムスパーダの外に入ったので、前に行く際にテイエム富田がガシガシと主張しているのを見ながら内に入っていくことになるので無理に前を取り切ろうとはしないはずなので、多少規模的観測も入ってはいますがテイエムスパーダが前を取り切れると思います。(ビクターは香港Sでジャスパークローネの流れに付き合った結果最後足が止まったことを考えても無理にハイペースに持ち込みたくはないと思う。)
 ただ、かなり勢いをつけながらテイエムが主張するので、逃げ争いはある程度足を使った上で落ち着き、その後ろも、外枠の馬たちは何とか内に少しでもいいポジションに入ろうとするので、ある程度足を使った上でコーナーに差し掛かることに。
 前に行く各馬が総じてポジション争いで足を使った場合、隊列が定まったタイミングで馬郡全体が”少し息を入れたい”という点で意識が一致しコーナーでふわっとペースが緩むということは珍しくない。
 過去の高松宮記念を見ても、すぐに隊列が決まった時の方がペースが流れて差さりやすくなっている印象で、今回のようにペースが読みにくい時の方がコーナーで落ち着いて結果的に前有利なラップになりやすい傾向なので、それを狙って前の馬から狙いたいと思います。

【調教評価】

 詳しくは「高松宮記念の追切メモ」で書いているので詳細はそちらで確認してもらえればと思いますが、ざっくり評価するならば。
S:ビッグシーザー、ルガル、テイエムスパーダ
A+:ウインマーベル、ロータスランド、マッドクール
A:ソーダズリング、シュバルツカイザー、マテンロウオリオン
 という感じで、人気サイドだとナムラクレアとトウシンマカオ、ママコチャは稍怪しげに映りました。

【予想印】

 ということで今回の予想印は
◎7テイエムスパーダ
〇1ビッグシーザー
▲2マッドクール
△6ルガル、16ウインマーベル
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎テイエムスパーダ
 この馬を逃げ馬の中でも高く評価したいのは、週頭の記事でも触れましたがやはり前走のシルクロードSの内容。
 京都1200はクラスが上がるほどに逃げには苦しいコースレイアウトで、ポジション争いで最も負荷のかかる2F目に上りがある。好スタート+内枠で楽にポジションを取ったルガルを躱すために7枠14番から内に切れ込みつつ登り坂を含む2F目を10.4で走っており、そのままセーフティーリードを取ろうと3Fも10.9でいって前半33.4。これは足の使い方としてはかなり厳しく、直線では伸びない内を選択せざるを得なかったこともあって完全に止まってしまった。
 今回はスタートから下りが続く上に、コースレイアウト的にはイン前有利の中京1200に変わるのはかなり大きな条件上昇。
 調教も久々にここまで早い時計で加速ラップを刻めており、ここに向けてこの上ない仕上がり。この坂路でこれまでより一つトモがパンとすればスタートの一歩目も出やすくなるので、テンのスピードの更なる上昇にも期待できる。
 前述したように、馬場、展開的にも穴をあけ得る可能性は持っているので、単勝万馬券近いこの人気であれば、ここは単勝から握って勝負していくのが穴党の生きる道。本命です。

〇ビッグシーザー
 これまでの実績から見ても、時計の出る良馬場では分が悪いかと思っていたので、雨が降ったのはかなりの追い風要素。
 前走のオーシャンSは渋った中山1200で自信の走破タイムとしては外を回すロスもありながら前半34.0-後半34.2とまずまず。2走前が京都で前半34.3とかなりスローだったので、そこから時計を詰めながらしっかり対応できたのは評価できる内容。勝負所のコーナーでも接触する不利がありながらしぶとく伸びることが出来ていたので、トウシンマカオに負けたことはそこまで悲観しなくていいかと思う。
 週頭の記事で、高松宮記念ではハイレベルなメンバーを相手にスプリント戦を戦ってきたことでのスピード慣れと遠心力に負けない体幹の強さが必要と書きましたが、前走で体幹の強さを見せてくれたのは大きい。コーナーで内から結構強めにバースクライにぶつけられたが、映像を見てもらえれば分かるが内からぶつけられたにもかかわらずビッグシーザーはびくともせず、むしろバースクライが跳ね返されている。馬体重も前走時点で516㎏と筋肉量豊富でパワーはこのメンバーに入っても上位の物を持っており、ハイスピードでコーナーに突入しても、しっかりコーナリング良くこなせるだろう。
 また、前走はスタートの反応がそこまで良くなかったので、促して何とかポジションを確保しており、ラップ以上に先行負荷強く、それでも最後まで足を使えたのは成長の証ととらえて良い。
 最内を取れたのはかなりのアドバンテージ、出来ることの幅が限られる分テン乗りでも腹をくくって乗りやすく、最低限前走並のスタートを切ることが出来れば、先行の前目で足を溜めることが叶う。
 今回の展開想定であれば、直線では最内にスペースができる可能性も高く、ロスなく進めたビッグシーザーが最内から荒れ馬場適性も活かして強襲という可能性は十分あるんじゃないかと思う。
 対抗で期待したい。

▲マッドクール
 こちらもビッグシーザーと同様に内枠から先行できるというアドバンテージを評価して高めの評価に。
 前走は初の海外で輸送減りもあって能力発揮しきれず香港で8着だがこれは度外視していいかと思う。2走前のスプリンターズSで2着に好走しており、現役屈指の能力を示しており、その時に先着されたママコチャが枠的に厳しいところに入ったのでこちらを順当に高く評価していい。
 スプリンターズSを休み明け一発回答で結果を出せたというのも大きく、今回も休み明けだがそこは気にする必要が無い。調教でもいい動きを見せているので、いきなりから動けると思う。
 中京コースでは実績豊富、多頭数の競馬で馬郡に揉まれるのも苦にしないので内枠を最大限生かすことのできる素質は備えている。
 多少荒れた馬場、ハイペースへの適性も高く割り引く要素が見当たらないが、調教の良さ、近走内容、オッズ妙味を含めてビッグシーザーを上位に評価して▲まで。
 基本姿勢として逃げるテイエムスパーダと、内枠の先行馬のセットで狙っていきたい。

△ルガル
 ドゥラメンテ産駒であることと、前走は好スタートの助けも合ってかなり楽な競馬ができたことが引っかかってできることならば逆らいたかったが、この枠に入って、調教も抜群でとなってしまうとこれ以上評価は下げれなかった。
 前走で馬体的にもグッと大人になって、トモもしっかりしてきたことでスタートも安定しそうで隙が少ないが、ここでいきなりG1を勝ち切るほどの爆発力があるかと言われると微妙なところ。
 人気的にも頭で狙うのは旨味が無く、飛ぶことも考慮した馬券を組みたいということで△評価まで。

△ウインマーベル
 なんで外枠に入ってしまったんだ……
 週頭の記事でも書いていた通りここ2走の内容はかなり強く、馬体も完成の域。真ん中より内に入っていれば本命にしていたと思います。
 この枠から好走するにはウインカーネリアンの後ろに入って外3頭目以内の先行で外の負荷を抑えるか、前目のポジションをあきらめて少し控えながら内に潜り込んでしまいに賭けるかの2択だと思います。
 松山騎手自身が前走ロータスランドで大外→最内追い込みを経験している分、今回ウインマーベルでそれを狙ってくる可能性もあり、8枠に入ったからと言って軽々に評価を下げることはできませんが、流石にここまで外に入ってしまうと内の馬の方を高めに評価したいので△評価まででいきます。

【無印の各馬(紐で抑えたい馬のみ)】
・モズメイメイ
 前走は京都牝馬Sで12位と大きく負けたが1F長かった。1200m通過地点までは先頭を守っており、今回に向けて大きく評価を下げる内容ではないと思う。
 メンバー内で唯一前走比で斤量がー1㎏での距離短縮ローテになるのは魅力で、枠も悪くないところを取れたので前に構えられれば思いがけない粘りを見せる可能性はある。この人気なら抑えておきたい。

・ビクターザウィナー
 前走はスプリント王国香港で強豪を抑えて勝利は評価できるものの展開面ではかなり恵まれた。ローテも2走前に1000m戦で早いペースを経験してから斤量も61kg→57㎏と大きく上昇のタイミング。今回異国の地で斤量も増えて先行争いも激しいならばそこまで過剰に評価もできない。
 ただ、スタートが早いだけでも脅威であることには変わりないので、紐では抑え。

・ロータスランド
 調教の動きが良いので抑え。
 今回1200m戦自体久々、近走は枠も相まってではあるが控える競馬が増えており、近走で前に行けたのはマイル戦のみ。
 今回も早い馬がそろっているので、とれても馬郡の中団後ろ、溜めながらどこまで伸びてこられるか。

・シュバルツカイザー
 もう少し雨の影響があって、インが荒れれば本命まで考えていましたが、思ったほど荒れなかったので抑えまで。
 外枠に入った時の成績が良く、過去の映像を見ても揉まれずに気分よく走ることが出来れば重賞級のパフォーマンス。前走は中枠からスタートいまいち、後方で揉まれて全く競馬にならず終了しており全く力を出せていない。大外に入った今回は一変に期待できる。
 実際、キーンランドCではローテ的に斤量減のタイミングで厳しいながらも今回人気のトウシンマカオと差の無い競馬をできており、ここまで侮られるのであれば抑える価値はある。

【まとめ】

 イン前有利を前提に調教の良い馬、前走からのローテを考えても面白そうな馬を中心に馬を選んで勝負していきたいと思います。
 人気だとナムラクレア、ソーダズリングは前走の京都牝馬Sでぬるいペースを控えて競馬をしたことが響きそうで、よっぽど差に展開が向かなければ厳しい。トウシンマカオは調教から不安が大きく今回は人気ならば逆らう。ママコチャはスプリンターズSの時からは状態落ちの印象で枠も厳しく軽視で行きます。
 馬券としては
〇単勝 テイエムスパーダ
〇ワイド 1.7-1.2.6.7.16
〇3連複 1-2.6.7.16-2.4.6.7.10.12.16.18
 これをベースにパドック、オッズを見ながら調整していきたいと思います。
 単勝を買いたいという意味での本命はテイエムスパーダですが、馬券の軸としてはビッグシーザーという感じで上手く馬券を組みたいですね。
 当たる可能性はそこまで高くないとは思いますが、テイエムスパーダに無視できないほどの光明を感じてしまったので、自分の欲望に忠実に穴党を遂行します。逃げ切れ!!光になれ!!

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