見出し画像

映画に観る整理収納Vol.10「BLUE JIANT」編

公開からだいぶ経ってしまった。
それでもこの映画は「映画館で観る映画だ」と感じていたので、
隙間時間で何とか観に行った。
久しぶりの映画館は小さなキャパだったけれどほぼ満員で、
それだけでもわくわくした。

前情報はほぼ見ていなかった。
JAZZをこよなく愛しているわけでもない。
でも、本当に「映画館で観て」よかった。(よく行った!私)

ストーリーは単純かもしれない。
JAZZに魅せられた若者たちのまっすぐで純粋なストーリー。
そこへあの「音楽」が加わるとあんなに引き込まれるの?
と自分を疑うほどに引き込まれた。

とにかく音楽が生きている。
JAZZという性質にさらに「ソロ」が加わると、とめどなく
自由に音が広がって、映画館全体を包んでいた。
JASSのメンバーがそれぞれ自分の音楽と向き合っていく過程が
とても魅力的だ。
「やらされてるんじゃない。オレがやるんだ」
何のためでもない、内から突き上げる強くて激しい衝動を
音に込めて自分の描く音に一歩でも近づきたくて歯を食いしばる、
その日々が愛おしい。

沢辺の部屋に初めて訪れた大と玉田は
思っていた部屋と違ったようだった。
プライドが高くて気取った印象の沢辺の部屋はもっと都会的で
おしゃれだと思っていたのだろう。
沢辺の部屋は古くて狭いアパートで、ピアノと楽譜ばかりが目立つ空間だ。
アドバイザー目線で見てもとても片付いた部屋ではないけれど、
そこには「人生の目的」が迷いなく映されていた。
ピアノと楽譜。
それが沢辺の全てだ。
大と玉田もしかり。生きる目的がはっきりしている3人の部屋は、
整頓はされていなくてもとてもスッキリした印象がある。

生きる目的のはっきりしていない人の部屋は
やはりはっきりしない顔をしている。
片付いていても居心地がよくない場合も多い。
改めて自分の空間は邪念が多いのだと気づく。

こんなにもまっすぐに人生を生きている人を見て
感動しないわけがない。
足りない実力も、抗えない運命も全て受け入れて
それでもじりじりと逞しく前に進む3人に心揺さぶられた。
影響を受けやすい私はJAZZを聞くきっかけになりそうだ。
さあ、まずはSpotifyでSonny Stittを探してみようかな。


※映画に観る整理収納Vol.1~9はブログ「ひまづくり日記」に掲載しております。万が一ご興味のある方はこちらでご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?