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『クジラオルカ』でボードゲームデビュー。

 子供の頃に遊んだオセロとかウノとかブタミントンとかチクタクバンバンとか、ああいうのを抜きにするならこれが私のボードゲームデビュー。

 ボードゲームというものに、長らく興味だけはありつつも購入には踏み切れずにいました。
 その理由は主に四つ。

(1)高い
(2)箱が大きいから仕舞う場所に困る
(3)箱の絵がバタ臭くて部屋に置きたいと思わない
(4)人数が要るんだろうけど、我が家はふたり家族。
 
 面白そうだな…と思うゲームがあっても、この四つのハードルのどれか、もしくは全てに引っかかって「買おう」とは思えなかった。
 その私に、ひと目で購入ボタンを押させたゲームがこの青い小箱です。

スマホより小さい…! 

 こんな小さな箱なのに、中身(「コンポーネント」と言うらしいです)は総数100個以上。

木でできたコマもあってかなりいっちょまえ。

 上に挙げた四つのハードルをすべてクリアした『クジラオルカ』ですが、買って手元に届いてみると新たな心配が湧きました。

(ルールが理解できるだろうか?)

 昔、岩明均『ヒストリエ』7巻の限定版にくっついてきた「マケドニア将棋」はルールブックを読み通すことすらできず、未開封で本棚に仕舞われたまま。
 毎年大掃除のたびに(もう捨てようかな)と思っては、そのたびに(最終回を読んでから判断しよう)と思い直して本棚に戻す、ということを十年以上続けています。そんな私が理解できるのか。
 結論を言うと、『クジラオルカ』のルールはボードゲーム初心者の私でもすぐに飲み込めました。
 開封して、説明書を読みながら駒とカードを配置して、まずはひとりでやってみて。

パソコンの手前の空きスペースで遊べてしまうコンパクトさ。

 カードに書かれた数字の役割や、どうしてボートに乗せる人数をボートごとにまちまちにするのか、とか、「いかり」のカードに書かれた「2」という数字の意味など、ぱっと見て意味が分からなかったところは遊んでみたらすぐに(なるほど)と納得できました。マケドニア将棋と大違い。

『クジラオルカ』という名前はダブルミーニングになっていて、ひとつは「クジラとオルカ(シャチ)」。もうひとつは「クジラは居るか?」という意味。
 各プレイヤーは「クジラやオルカを見るツアー」を企画した旅行会社になりきってそれぞれの船を出し、どの海域にクジラやオルカがいるのか情報を探り合いながら船を進めていきます。  

これがクジラの駒で、
こっちがシャチの駒。

 クジラとオルカ、同じ形でできているのに、おなかをへこませているほうはシャチに見えて、しっぽを上げているほうはちゃんとクジラに見えます。可愛い!

 ルールは理解できたものの、これを遊んでくれる相手が常に確保できるかと言うと私は確保できません。夫はFallout76廃人だし。
 なのでひとりで遊ぶことにしました。

クジラは魚が一番多かったエリアに出没。

 ひとりだと駆け引きも推理もあったもんじゃないので、駆け引きのための手順は省いて完全に運ゲーとして遊びます。
 何も賭けずに遊ぶのもつまらないので、今夜のごはんのメニューを賭けます。
 オレンジのチームが勝てば今夜は「麻婆トマト豆腐」。
 黄緑チームが勝ったら「塩鶏じゃが」。
 
 ルールを理解できたつもりで理解できていなかったことがここで判明。
 クジラもオルカもいない海域の船は点数にならないんですね。
 結果は黄緑チームの圧勝でした。

クジラもオルカも見られなくてかわいそうなオレンジの船の乗客たち。

 どっちにするか決めかねている問題があるときは『クジラオルカ』で決めることに決めておくとこの先の人生悩まなくて良さそうです。

(ほんとは豆腐が食べたい気分だったのにな…)

 と思ったなら、ソロプレイで誰も文句は言わないのだから、もう一巡やるも良し、麻婆トマト豆腐を作っても良し。

 遊び終わったらちゃっちゃっと2分未満で片付けが済むのも『クジラオルカ』の嬉しいところ。
 箱がこんなに小さいと置き場所に困るどころか、どこに置いたか忘れそうです。

5×3インチの情報カードよりちょっとだけ大きい。

 ボードゲームに対して感じ続けてきた心理的ハードルが『クジラオルカ』のおかげでとっぱらわれたので、もっとほかにもやってみたくなりました。
 次買うとしたら『カルカソンヌ』か『AZUL』か、それとも木駒の可愛さで『アクアガーデン』か。 
 悩みどころです。
 どうしても決められなかったら『クジラオルカ』のソロプレイで決めることにします。

【追記。】
 夫と遊んでみました。
 スコアは14対3。
 ボロ負けでした。