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【ひつじが週報】200125-200131

●200125

某読書会で知り合ったという同級生会の方々が来店。催しがきっかけになって度々遊ぶ仲間ができるの素敵。店内にある書籍群から真っ先にチェアリングの本に興味を持たれていたので、これはと思い同好会に誘ってみた。参加するにあたっての初期投資が「椅子」だけなので、誘いやすくて良い。昨年末からちょこちょこと声をかけ始めて、ついにひつじが経由での椅子購入者が二桁の大台に乗った。ブックバーで一体何を売っているんだとの内なる声を黙殺して、今後もチェアリング同好会メンバーは募っていきたい。

チェアリング活動は自分が発端だが、それ以外にも最近は「ひつじがで〇〇をしたい」と面白い素案をぶつけてくる人が増えてきて嬉しい。思いつきを実行していくのは大切で、その中で日常のささやかな楽しみが、外部(社会、他人)とのゆるやかなつながりが、考える力がついていけば言うことない。それをちゃんと面白がる人たちが周囲にいるのは何とも有難いし、現時点での店のカラーとはちゃめちゃに異なる催しは流石に開催できないけど、そうじゃなければなるべくゆるく広く受け入れながら幅を広げていこうと思う。昨年末に開催した「お蔵入り展」のような催しが今後も増えていくことを祈る。

●200126

開店前、お昼の時間を使って今期就活を迎える大学生を集めてキックオフイベントを開催。たいそうな書き振りだが、単なる顔合わせ。それぞれ別のタイミングで来店していた学生たちを一堂に集め、ひつじがで就活をしていた先輩も一緒にゆるくつなげた。去年はあえて店として学生の応援をしている姿勢を示さなかったので、どうしても場当たり的な対応になってしまった。来てくれる学生には向き合ったが、途中でいなくなる子達もいて、その度に力不足を感じた初年度。その反省を踏まえ、今年は店としても個人としても半端な姿勢は見せずに対応をしなければとしばらく前から思っている。

若い人が楽しく過ごせる世の中になればいいと本気で思っているし、できる範囲でそれをやっていかなければならない。就活の話を聞いているのもその一環だし、それ以外の状況でもそれが「大人の利益」じゃなくて「若者の未来」のためになるならどんどん取り組んでいきたい。自分もこれまで先達から様々な支援を受けてきたし、今なお諸先輩方から様々な助言をいただいている。そうやって貰ったものをうまく次に流すことができたらいいし、その中に他の大人たちの力も混ぜることができたら尚いい。幸いひつじがに来てくださる大人の方々は誰も皆協力的で、だからこそ媒介としてきちんと機能していかなければならない。

ひとつの分かりやすい事例として大学生の就活はあるものの、それに止まらず学生(高校生や中学生、小学生)や若手社会人がより楽しめるような仕掛けは次々打ち続けるつもりだし、年齢関係なく「自分より若い人に何かしたい」と思う人はどんどん巻き込んでいきたい。

キックオフの後、四年生(就活終えた組)が残ってくれたので、どうしたらこの取り組みを学生(就活世代とその下の世代)に知ってもらえるのかについて話した。現役学生の意見を聞けるのは有難いし、何より彼らが自分と同じように「自分より若い人に何かしたい」気持ちを持ってるのがうれしかった。

●200127

凪営業。いつも遠方の面白い友人を連れて来てくださるお客様が、この日もやはり遠方の面白い方を連れて来てくださった。市民参加型ミュージカルの運営で各地を飛び回っているらしく、たまたま福岡に来られていたとのこと。同じように市民参加型の場(お店だって広い意味ではそう)をやっているので、物凄く興味深くて、聞いた話もやっぱり物凄く面白かった。

様々な話をする中で「なにが難しい?」との話になった。ミュージカルの場合、まずは「知ってもらうこと」で、その上で(市民参加型なので)「入ってきてもらうこと」が難しいらしい。わかる。超わかる。

まずこういう団体(お店)があるというのを知ってもらうのは当然だが、《参加型》の場合はそこからさらに入ってきてもらう(参加してもらう)段階を踏まなければならない。これが一筋縄ではいかなくて。多くの人は「ミュージカル」の言葉だけでもう「自分とは(世界が)違う」と振るいにかけてしまうらしい。わかる。「バー」だってそう。たとえどんな中身をしてようと、バーの文字列だけを見て「自分が行く場所ではない」と入る前からふるい落とされてしまうことも少なくない。他にも「ワーキングホリデー」なんかもそうだよねとの話になった。わかる。

自分がやってる店が果たして本当に(世間一般的に想像するような)「バー」なのか。始めた当初から未だに疑問に思っている。これまでに来店された方(バー未経験者)からも「バーって想像してたのと違ってこんな感じなんですね」と言われたことがあるが、その想像はあってて、うちの店が違うだけなのかもしれないよと思いながらも「じゃあここはなに?」に上手く返せる言葉がなくて黙ることもしばしば。そのぐらい単語が持つ固定観念は強いものだし、一方自分だって「ミュージカル」という文字列を見たら(中身を見ずに)自分とは違う世界だなあと思ってしまうだろう。

今自分がやっている場のことを「端的に」「誤解なく」伝えることはものすごく難しい。端的に伝えようとすると「ブックバー」になるんだけど、それだとどうしても随所で誤解を生んでしまう。誤解はないに越したことはないので、まずは「端的に」を一旦諦めて、こうやってだらだらと文章を書いたり、書きながら考えたり、同じようなことを考えてる人に問答相手をしてもらったり、そんなことをしている。その先でいつの日かこの場を「端的に誤解なく」言いあらわせる言葉が見つかるといいと思う。

●200128

店内の空調が不調。なんて悠長に韻を踏んでる場合じゃない一大事。来店された方にはまず(寒いことを)謝罪。そして事あるごとに心の中で我慢させてごめんなさいと謝罪をし、たまにその心の声が漏れ出て謝罪。大切なものの有り難さにはそれがなくなるまで気がつかないなんてことを身を以て実感。一刻も早い回復を願いながら、業者を手配。

●200129

相変わらず空調のご機嫌は斜め。そして凪営業。

●200130

店休日(『本のあるところajiro』さんのイベント参加)

●200131

空調の調子が悪いだけで話題の中心が「空調の調子が悪い」になってしまって良くない。話題がそれになるだけならまだしも、寒いと飲み物(お酒類)の注文が入らないという実ダメージが発生する。ひつじがが提供しているものの大半はお酒類なので、想像するまでもなく深刻な問題。のんびり構えている間に店舗廃業に追い込まれないようにしたい。とはいえ業者が動くまでは構えている他ない。遅刻していて一秒でも早く目的地に着きたい気持ちを抱えてバスに乗っているような気分。これ以上人事の尽くしようもないので、天命を待つ。