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逗子の古民家のリノベ

この現場は,かなり長い期間の工事になりました。
その理由は「古民家は開けてみないと分からない」ところが多いからです。
開けてみる,つまり「床板を剥がしてみて・・」「壁を開けてみて・・」「天井に潜ってみて」はじめて分かる事があります。かなりの補強や補修が必要だったり,既存利用できない箇所がでてきたりするためです。
取り分け大工さんが苦労する訳ですが,結果的にすてきなお宅に仕上がりました。あまり写真を撮っていなかったのが悔やまれます。

キッチン+ダイニング

きれいに仕上がっていますが,実は色々と苦労や工夫もしています。
例えば,オレンジ色のペンダント照明は天井直付けタイプのものなので,それをダクトレールに取り付ける事ができるように現場で改造しています。
キッチンのブラケットタイプのスポットライトは図面になく,あとから追加となりましたが,既に壁など仕上がっていたため,裏側のスイッチの開口からなんとか配線して取り付けました。

洗面室

とても古民家とは思えない広々としたきれいな洗面室です。
ここはギリギリまでミラー上の照明器具が定まらず,そのため配線はしていたものの壁から出すことができませんでした。
ここは天井裏に入ることが容易なので,壁が仕上がってからでも照明配線・取付が可能でした。シンクが二つあるのはホテルライクですね。

二階和室

この部屋はエアコンの先行配管のために,左奥にパイプスペースを造作してもらいました。

古民家のリノベに伴う電気工事の感想

古民家といっても,かなりの敷地面積の二階建ての大邸宅でした。一階の天井裏は今の時代のそれとは比べ物にならないくらい高さがありました。なので,天井裏の配線作業はとてもやりやすいものでした。しかし当然ながら,足を置く場所をちゃんと選ばないと簡単に踏み抜いてしまう柔い天井材です。壁は昔の土壁なので,新規でスイッチを付けるのは不可能でした。試しに穴を開けると,ボロボロと崩れてしまうからです。そのように場所は,大工さんが板を貼ってくれました。床下は,なぜか土嚢のようなものが大量にあり,処分をするのが大変そうでした。床下配線はやりやすかったです。

古民家独特の風情を残しつつ,快適な生活ができるようにするこのバランスが設計屋さんの腕の見せ所だと思います。可能な限り,今は手に入らない既存の天井材,床材,壁材などを傷つけず,それでいてトイレや浴室などは完全撤去し,古民家の雰囲気とうまく融合するように仕上げていました。

また時間と余裕があれば,やってみてもいいかなと思いました。

おしまい。

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