3月11日に思うこと

3月11日は天災の日である。
3月11日は弟の誕生日である。

今日、家に帰ってきたら居間のテーブルにケーキ屋の箱がおいてあった。今年が二十代最後の一年になる弟の誕生日を祝うために父が買ってきたものだ。中身はバースデーケーキではなく杏仁豆腐だったが、それを一人ずつ食べ、甘い安らぎを共有した。

弟は言う。はしゃぎたい誕生日なのにはしゃいではいけない空気が、テレビから、ツィッターから、井戸端会議から、染み出している、と。

僕たちはいつまで喪に服す必要があるのだろう。このまま過ぎて千年後、喪に服さないはしゃいで良い日はいくつ残っているのだろう。

けじめを付けなくてはいけない。

この地に遺骨の含まれない土などないのだから。

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