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加工記:マイクロエース 京成3600形 登場時 

ようやく加工記をイチから書ける。
その対象に選ばれたのは、我ながら渋い車両であった。
これまでの反省を活かし、加工中の写真盛りだくさんでお届けする…つもりだ。

現代に蘇ったファイヤーオレンジ帯
2023年11月撮影

室内塗装

実車の車内は、オリジナルからほとんど手が加えられていないようだ。
よって、現代の配色を鵜呑みにした。

ところで、製品ではロングシートの端にスタンションポールの再現と思しき突起があった。
しかし明らかにオーバーな表現であり、一見すると背が高過ぎる袖仕切りにしか見えない。
よって、塗装に先立って切除した。

デカすぎる座席端を切っている途中

室内パーツの京成形成色は、マイクロエース製品例に漏れず、座席の赤色である。

塗装する箇所およびそれぞれの塗料は、以下の通りである。
いずれも筆塗り。

  1. 壁(室内灯の支持点など):クレオス H-27 ライトブラウン(タン)

  2. 床:クレオス H-60 濃緑色(暗緑色)

  3. シルバーシート:タミヤ XF-23 ライトブルー

塗装の順番も、列挙した通りである。

トレーラー車

3.以外の塗料は、手元にあったそれっぽいものを選択した。
壁については、黄色味不足感が否めない。
サンドイエローを買えばよかったな。

なおエナメルを塗ったシルバーシート部分は、剥離防止のために(なるのか?)上からつや消しクリアを筆塗りしてある。

こちらは動力車

動力車カバーにある謎の銅板露出部については、上からプラ板を貼り付け、目立たないようにした。
主電動機の点検蓋のように見えなくもない。


室内灯作製

通勤車&マイクロエースということで、テープLED式を選択した。

テープLEDの定格電圧5Vに対し、日本製Nゲージは12Vを加えてくる。
そのままではLEDが焼き切れてしまうので、1kΩの抵抗を追設して電流を制限している。
この抵抗値に特別な意味は無く、たまたまちょうど良い明るさになった、というフワッとした理由である。

また、4.7uFのコンデンサも搭載してある。
巷では常点灯対策としてこの静電容量のコンデンサが選ばれているようだが、チラつき対策としても欠かせない。

コンデンサは夕庵式とは違う形状

マイクロエースの室内灯は幅の広狭があり、車両側もどちらに対応するかで構造が異なる。
それに応じて、自作する室内灯も一部を作り変えている。

幅狭用の集電部

使用しているブリッジダイオードの端子幅と、幅狭室内灯のスプリング挿入口の幅がほぼ同じである。
この点を生かし、無極性側端子と集電スプリング(Torm室内灯用)をはんだ付けし、既製品を模した集電部を再現している。

テープLEDとブリッジダイオードを結ぶエナメル線は、太さ0.15mmの柔軟性に優れたものを使用している。
室内灯本体を車体に固定する関係上、ここで室内灯とスプリング挿入口との偏位を吸収する。

なお、今回の車両はスプリング挿入口の幅が特殊であったため、車両側にも若干の加工を施してある。

スプリング挿入部の中心を、斜めに削ってある。

既に画像に写っているが、今回も方向幕への導光材を作製、装備してある。

明るい挨拶と方向幕を心がけましょう

台車排障器取り付け

スカートがない車両だからこそ、先頭台車の周辺はこだわりたいポイントである。
実車の排障器にドンピシャな製品は存じ上げないので、雰囲気が似ている以下のパーツを選択した。

A~Gの7種類の中からDを選択した。

不要部を切除した状態

一部を切除し、台車に貼り付け。
昔の台車の近似色であるMr.カラー No. 116 ライトブルーを塗った。

台車に「のりしろ」のプラ棒を貼ってある
ええ感じや

ライトユニット関連の調整

減光処置

前面のライト周りは、マイクロエース製品の例に漏れず、前照灯よりも方向幕の方が眩しい。
尾灯もなかなかの明るさであった。

種別表示については、タミヤのエナメル白やぺベオの黒白を塗ることにより減光・遮光を試みた。

種別表示を減光・遮光

行先表示についても、タミヤのエナメル白で減光を試みた。

行先表示を減光

尾灯は基盤上のLEDにタミヤエナメルの赤を塗った。

紅に染まったこのチップ

前照灯・尾灯の漏光対策

明るすぎる連中以上に厄介なのが、前照灯と尾灯の漏光である。
斜めから見た時には目も当てられない。

前照灯点灯状態@製品ママ
尾灯点灯状態@製品ママ

この漏光の要因を探るべく、ライトレンズを取り外すと、すぐさま要因が判明した。

前照灯&尾灯プリズム

前照灯と尾灯のレンズが一体となっている。
これでは双方の光が漏れてくるのも仕方ない。

レンズを物理的に分離すれば、多少はマシになりそうだ。
しかし、マイクロエース製品は気軽にスペアパーツを入手できない。
オリジナルのパーツは、できる限りそのままにしておきたい。

ということで、丁度良い径を有するサードパーティのライトレンズを探す旅が始まった。

結果として、以下のパーツが選ばれた。

左を前照灯、右を尾灯に
レンズを装着した状態

前照灯レンズは、本来の向きとは逆さまにし、外に出る面をコンパウンドで研磨した上で取り付ける。
また、位置調整のために、スペーサーを兼ねたストッパーとしてプラ板を挟んである。

尾灯レンズはそのままだと長すぎるので、適当な長さで切除した。
紙やすり→コンパウンドの順で切除面を整え、更にクリアーレッドを塗った。

レンズ交換後

消灯状態はさほど違和感ない。
果たして点灯状態の結果や如何に?

前照灯点灯状態@加工後
尾灯点灯状態@加工後

予想以上にうまくいった。

一時は前照灯の消灯すら考えていた(時代的にはそちらの方が正しいが)だけに、達成感はひとしおであった。

え?急行灯に光が漏れてる?

そだねー


補足・総括

種別、行先、運番ステッカーは、手元にあったグリーンマックスの3150形用のものを使用した。
側面幕は横幅が大きいので、種別と行先を切り分けた上で貼り付けた。
前面行先についても、文字ギリギリまで詰めて切り出した。

いかにも過渡期な並び

振り返ってみると、6両編成ということで、作業量自体は比較的少ないが、ライト周りの加工に手を焼いた印象が強く残った。

たのしいたのしい1号線、現状千葉の方に偏っているので、そろそろ神奈川方面も増やしていきたいところだ。

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