近郊化改造の苦行!キハ58高知車
今回はこれまで史上、屈指の面倒くさい工事となった記録を書き留めておく。
鉄道ホビートレインの投稿に記した自身の気動車ブームは、この車両を作るという試みが火付け役となった。
営業運転のキハ58に唯一乗車できた経験に由来する、「思い出枠」でもある。
作製を決意した時点で、TOMIXのキハ58基本番代四国色2両セットの新品在庫はとうの昔に消えており、ぽちスティックやヤフオクを駆使してボディを揃えた。
ボディの加工と並行して、実車と同様の近郊化改造を行った。
具体的には、ボックスシートのうち両端の1.5区画、着席人数にして24人分撤去し、新たにロングシートを設置するという内容。
手始めに既存の座席モールド、およびテーブルのモールドに穴を開け、ヤスリで開口部を広げる。
穴開け=不要物の撤去が完了したら、次に床板を埋める。
適当な厚さのプラバンをはめ込み、接着剤を流し込んで固定する。
続けて集電板を固定する突起のための穴をはめ込んだプラ板に開け、プラ丸棒を差し込む。
床の整備が終われば、ロングシートの設置、プラバンを適当な大きさに切って貼り付ける。
ここまで読んで「どこが難工事だよ甘えるな」と言いたくなるであろう。
大変だったのは、継ぎ目を埋める作業である。
来る日も来る日も、継ぎ目に溶きパテを流し込んでは、翌日削る。
削りすぎてまた溶きパテを流し込む。この繰り返しである。
まさに修行、いや苦行であった。
苦行が終われば、漸く塗装に入る。と言っても、これもなかなかに骨の折れる作業であった。
最初に床をMr.カラーのキャラクターフレッシュをスプレーする。
次に座席であるが、ロングシートは単色なのであっという間である。
ボックスシートの方は、着席部とその周囲で2色に分かれていたが、いずれも水性ホビーカラーで塗装して「しまった」ので、マスキングに手間を要することとなった。
今ならエナメル塗料を使って、マスキングの手間を省くであろう。
折角なので、ボディへの改造も写真と共に紹介しておく。
他にも以下に列挙する加工を行った。
制御回路ジャンパ線受けの移設(一部車両)
通風機撤去
トイレ水タンク撤去(キハ58のみ)
ワイパー交換
欲を言えば前面補強も再現したかったが、方法を思いつかなかったので断念した。
JR四国で近郊化改造を受けたキハ58のNゲージといえば、松山のリバイバル国鉄色、キハ58-239がマイクロエースから製品化されている。
ずいぶん前の発売&マイナー(失礼!)な製品だが、こちらはどのように2000年代まで生き延びたキハ58を再現したのか、車内外共に気になるところである。
ところで当時の土讃線キハ58といえば、四国山地を駆け抜ける世界初のスプリンターに追い回されていたはずである。
KATOさん2000系の再生産はいつですか・・・?
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