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小説「或る日の北斎」の掲載に当たり
錦絵「富嶽三十六景」は、江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の代表作として知られています。
全46図で、そのうちの「神奈川沖浪裏」、「凱風快晴」、「山下白雨」の3図は三大役物として、国内外で人気が高く、広く知られています。
版元は永寿堂、西村屋与八で、出版は天保2~5(1831~34)年頃。北斎は宝暦10(1760)年生まれとされ、この錦絵を手がけたのは70歳の頃でした。
北斎は18歳の頃、浮世絵の世界に入り、嘉永2(1849)年に89歳で他界するまでに肉筆画、錦絵、絵手本、挿絵など約3万点の作品を残したといわれています。
中でも「富嶽三十六景」の成功で北斎は浮世絵の世界に名所絵(風景画)ジャンルを確立し、美人画の歌麿、役者絵の写楽らとともに浮世絵界を代表する絵師として燦然と輝いています。
人生の終盤、北斎が傑作を生み出した背景、思惑に迫ろうと、北斎の或る一日を小説に仕立てました。
来週23日から毎週日曜日、数回連載予定です。
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