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読書体験
読書について。
『枕草子』を読んだ、という話を先日書いたが、これは外的要因があったため読んだということであって、最近読んでいるのは古典作品ばかり…というわけではない。(ただ、『落窪物語』をちゃんと読んだことがなかったことに気づいたので、読んでおきたい気持ちはある。)どちらかと言えば一般文芸の方が多く、たまに評論も読む。ライトノベルは数年前は大量に読んでいたものの、最近は読めておらず、悲しい。
そもそも作業でPCの画面を見て、休憩のつもりで本を読んでいては目や頭が疲れる。そのため、読むための時間も体力も限られているので、あまりたくさん読めている感じはしない。それでもいい作品に出会えているな、と感じている。
読書は良い。身体的移動を伴わない旅行みたいなものだ。もちろん普通の旅行も好きだが、読書は時間や場所に関係なく多くの世界へ連れて行ってくれる。過去、現代、未来、日本国内、世界、異世界、何でもあり。
ただその分、読み終わった後の疲労感もある。長い物語に没入すれば集中し、身体と精神が削られる。それがハッピーエンドだとしても、そうじゃないにしても。(個人的にはハッピーエンドのほうがいい)
ちょうどいいので、最近読んだ作品を2つ紹介してみる。
1.詩羽のいる街
まず、『詩羽のいる街』という山本弘さんの作品だ。これは少し前の作品なので、ガラケーが使われていたりするが、その内容は変化の激しい今においても色褪せない。
作品の詳細は読んで確認してほしいが、ちょっとしたきっかけが人を変えること、そのきっかけは一人では生まれづらいことを感じた。友人が多い少ないとかコミュニケーションが苦手とか得意とかではなく、人と関わることを恐れないことは重要だよな、とも思う。とにかく、読んで人の可能性を感じた。
2.竜宮電車
次に堀川アサコさんの『竜宮電車』である。これは複数のお話からなる短編集…だが、それぞれのお話は「竜宮電車」というものや何人かの登場人物を通して繋がっている。こういったそれぞれの物語があってそれぞれの視点から見た世界があって、少しずつ関わりあっている、といった作品が大好きなので面白かった。
神様の登場と伏線の回収はかなり印象に残っている。小説における視点は大事なものだが、一人称(神視点)は色々な人の思惑が見えながらも神がどういった形で生活しているのかが書かれているのは読んでいて飽きなかった。案外僕らに見えていないだけで現代日本でもありそうにも思えてしまう。
近くの神社に何でもないけどお参りに行こうかな。
来年度が始まるとこんな時間も取りづらくなるのかな、と思うと寂しいが、余裕のあるうちに読んで、いろいろな体験をしたいものだ。考えるのが好きなので、ジャンルは幅広くいきたいところだが、できれば心温まるものが多いと嬉しい。
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