［百万件のクチコミが語るホテル顧客満足度と構造］5.2.2 顧客属性別-満足度と構造

本題に入る前に最近の経験や感じていることを少し書きます。

テレビで頻繁に訪日観光客が話題に上がっていますね。訪日観光客のマナーの悪さやらなんやらとネガティブなニュアンスで報じられている点がやや心配です。観光産業は日本経済の大切な伸びしろです。深い配慮無しに、安易に否定するのではなく、せっかくのチャンスですから、大切に育ててゆきたいものです。

実は私、最近ホンダの新型ヴェゼルを購入し、ちょこちょこドライブを楽しんでいます。最近まで長く乗ってきた車も良い車でしたが、大きく重たい車で燃費が悪かったのに対し、適度なサイズと重量のヴェゼルは、燃費が倍以上改善し、気軽にドライブできるようになりました。

しかも車内は静かで快適、安定感もあり、安全装備も充実。加えて、オーディオのクオリティも高く、めっちゃ気に入っています。

実はホンダ車は初めてなのですが、ホンダ車オーナー間には仲間意識があるのか、車線変更などする際、他のホンダ車が、紳士的に道を譲ってくれる感覚があります。気のせいでしょうか（笑）？

実は、先週の梅雨明け早々、湘南の海沿いをドライブしてきました。圏央道を南下し、茅ヶ崎から、江の島、由比ガ浜、逗子海岸、を経て葉山の一色海岸を散歩し、同じルートを折り返し、帰途につく、というドライブです。

まだ夏休み前なので渋滞もさほどひどい状態でもなく、快適なドライブになりました。

そして、オーバーツーリズムの文脈で、最近テレビでよく見る「江ノ島電鉄の『鎌倉高校前１号踏切』」に訪日観光客が多数集まっている様子も行きと帰りで2度目撃しました。

私が見た瞬間は観光客は30～40人くらいでしょうか、さほど混乱している感じではなかったです。踏切周辺に人が集中しているというよりは、海沿いに風景をカメラで熱心に撮影している外国人（アジア系中心）が多く見られました。

何となくですが、日本国内で訪日観光客のマナーや集中による混雑が問題になっていることを彼らも認識しているように感じました。やはり、人に嫌がられることは、どこの国の人にとっても心地よいものではありませんから、彼らも迷惑がられないように気を使い始めているのだろうと、私は妄想交じりですが思っています。

ところで、夏休み前に海沿いの軽い渋滞を通過したのですが、これが夏休み入りした現在なら、渋滞もより悪化してるはずです。また、河津桜の季節に伊豆にドライブに行こうものならひどい渋滞に巻き込まれます。そう考えると訪日観光客など縁のなかった時代から「オーバーツーリズム」は確かに存在してたわけです。訪日観光客ばかりを悪者扱いするのはアンフェアですね！

湘南の海（私の眼にはさほど美しいとは思えないのですが）を熱心にカメラに収めていた訪日外国人たちは、恐らく海とは縁のない地域に住んでいる方たちと思われます。私の知人に中国人がいるのですが、彼が「日本に来て、初めて海を見た」と言っていたのを思い起こしました。

初めて見る広大な海を見て感動したり、興奮したりしている方が多いのだろうなと思いながら、車窓越しに彼らを眺めていました。そんな人たちが、ついついはしゃぐ姿は、見方によっては、微笑ましくも思えます。

私がまだ少年のころ、旅行で海外を訪れる日本人のマナーの悪さが度々日本のテレビで報道されていました。『黒縁メガネをかけ、首からカメラをぶら下げ無遠慮に写真を撮りまくる猿のような東洋人』、それが我々の先輩たちの姿です。当時の日本人も海外の見慣れぬ風景に興奮し、はしゃぎ過ぎてたのでしょう。

当時の日本のメディアは日本人に厳しかったわけですが、現在の日本のメディアは、とかく外国人に厳しい印象です。何か嫌なことに繋がっていかなければ良いのですが。

そんなことを想いつつ、本題に入ります。

はじめに

前々回記事までは「全観光ホテル」が対象で、日本全国の観光ホテル利用者の平均的満足度と構造を分析してきました。

そして前回記事では、全観光ホテルの利用者レビューをホテル属性、具体的には「温泉ホテル/その他ホテル」「料金（最安料金）レンジ別」、でグループ分けし、それぞれの特徴を分析、抽出しました。この分析結果、特に料金レンジ別分析は、今後の分析においても重要なもので、必要に応じ振り返り参照してゆきます。

そして、今回は「顧客属性」という視点で、「同伴者」と「旅行目的」を軸にレビューをグループ分け、それぞれの満足度と構造を分析してゆきます。

「同伴者」分類とは、文字通り同伴者に基づく分類です。旅行目的は「レジャー」目的なのか、「ビジネス」目的なのかの分類です。今回の対象はあくまでも観光ホテル利用者ですので、言うまでもなく圧倒的多数が「レジャー」目的になります。

それでは、早速見てゆきましょう！