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風と化石について星野道夫はこう言っています

風と化石(2010年10月12日)

「風は、地球上で最も軟らかい『化石』なのだ」 星野道夫

「風こそは信じがたいほどやわらかい真の化石だ」と誰かが言ったのを覚えている。私たちをとりまく大気は、太古の昔からの、無数の生き物たちが吐く息を含んでいるからだ。

星野道夫さんの「イニュニック」の中に、
「ストーブの炎を見つめていると、木の燃焼とは不思議だなと思う。二酸化炭素と水を大気に放出し、熱とほんのわずかな灰を残しながら、長い時間を生きた木はいったいどこへ行ってしまうのだろう。~」
に続き、
「いつか読んだ本(”ものがたり交響”)にこんなことが書いてあった。”すべての物質は化石であり、その昔は一度きりの昔ではない。いきものとは息をつくるもの、風をつくるものだ。太古からいきもののつくった風をすべて集めている図書館が地球をとりまく大気だ。風がすっぽり体をつつむ時、それは古い物語が吹いてきたのだと思えばいい。風こそは信じがたいほどやわらかい真の化石なのだ”」

イニュニック「生命」―アラスカの原野を旅する 単行本 – 1993/12/1

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コメント

この投稿に対しては、コメントをいただいていました

「風こそは信じがたいほどやわらかい真の化石だ」 と誰かが言ったのを覚えている。・・・の誰かは谷川雁です。

風は鳳の元字と同じで鳳の鳥を取って、虫の字を加えたのもが語源です。
虫は竜を含む爬虫類。つまり風は空気の流れでなくて鳥や竜の形をした神だった訳です。

この神が出かけて、風物とか風習を作ったとされます。

こう考えると風はやわらかい化石、というよりも過去から未来に向けて持続的に現象を生起し続けている何物か、と考えるのも面白いですね。

東京と石垣島との2拠点居住を始めて20年になります。それぞれの土地と情報との中で人生を豊かにする暮らし方「スマートライフ」を実現しようと試行錯誤しています。それぞれの場所で日常の中に見つけた「暮らし」を発信しようと思います。