【味噌煮込みコアラ事件】
2001年にネット上で発生した、個人による「差別用語」糾弾未遂事件。
その独善性と糾弾された「差別用語」の意味不明さ、また未遂とはいえ「言葉が差別用語にされる瞬間」の生々しい記録として一部の間で伝説的なエピソードとなっている。
発生した場所は「よろずインドネシア」という、その名の通りインドネシアについて情報交換をする掲示板で、「味噌煮込みコアラ」とはそこの常連ユーザーのハンドルネームであった。
この味噌煮込みコアラ氏に対し「きょうこ」と名乗る人物から次のような要求が投稿された。
現実に「味噌煮込み」という言葉が知的障害者に対する差別用語や侮蔑語として一般流通している事実はなく、味噌煮込みコアラ氏本人にも掲示板の他ユーザーにもまったく初耳の話であった。
また「味噌煮込みコアラ」の実際の由来も、本人が名古屋に在住していたことがあったことから、現地の名物料理と東山動物園で人気だったコアラを組み合わせたものに過ぎなかった。味噌煮込みコアラ氏自身も「5年以上このHNを使っていて一度も言われたことがない話」であり「HNの変更は根拠がはっきりした段階で検討したい」としていた。
当然ながら「味噌煮込みが差別用語なんて聞いたこともない」「差別対策の研修でも耳にしなかった話」「検索してもそんな話は出てこない」「本当なら実際に差別用語として使っている人を叩くべき」「あなたの発言の方が名古屋人には不快」という質問・批判が百出した。
きょうこ氏はその後「私は日本の福祉施設で働く人間」と名乗り「現実に心無い人から知的障害者の人に対して、『味噌煮込み坊や』といった声を聞く時があります」と主張した。
それが真実であったとしても、おそらくは業界の隠語や方言とすら呼べるものではなく、本人の周囲のわずかな人間が勝手に使っていた悪口に過ぎなかったのだろう。
結局きょうこ氏はその掲示板のツリー内で自己弁護のために自演していたことが、掲示板管理者から公開の警告を受けたことにより発覚し、消え去っていった。
参考リンク・資料:
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