『だから言ったんだ。』2022-07-07
あまりにも早く訪れたモデルケースだった。
あのRYO&YUUが、逮捕されたのだ。
……え?
知らない?本当に?
すみません、知ったかぶりました。私も知りません。
自主制作でポルノを販売していたカップルのようです。いわゆる「同人AV」というやつでしょう。
本人達はツイッターアカウントを持っており、これがそのbioである。
記事の初報が7月4日、現在の最新ツイートも同日なので、その日に逮捕されたとみて間違いないだろう。ちなみに彼らの作品群については固定ツイートから移動できる。
すわAV新法か、と思うが、この2人はAV新法ではなく、刑法174条の公然わいせつで逮捕されている。記事には「豊田市の公園で、山本容疑者は全裸になり、吉野容疑者は下半身を露出した」とあるので、投稿作のなかにいわゆる青姦モノがあったのだろう。
ちなみにAV人権倫理機構の加盟企業が制作する「適正AV」と呼ばれるAVでは、こうした野外ものは地権者の許可のもと、外部の人間が入らないように行われている。このカップルは公園でそれをやったため、見かけた一般人から通報があったというのが記事にある経緯である。
さて。
今回のnoteの趣旨は、彼らの行為をモデルケースとして、AV新法に当てはめて考えていこうというものだ。
もちろん、この撮影は2021年11月に行われている。しかしもしも今、同じことをしたとしたらAV新法で罪に問えるだろうか。
AV新法自体の正確な内容については、こちらをご覧いただきたい。
私が以前から何度か指摘しているこの法律の大きな欠陥は、偏見を元に作られているということだ。
すなわち、社長とか監督とかカメラマンとかがいる「悪徳AVメーカー」が、かわいそうな若い女の子を騙してAV出演をさせ、心身を深く傷つける……という物語である。
別にフィクションならそんなお話を書いてもいいが、この法律は現実のものである。それが当事者の話を全く聞かずにろくな検討期間もなく作られているため、「悪徳AVメーカー」vs「かわいそうな女の子」という視野に限定された作りになってしまっているのだ。
この悪徳AVメーカーのことを法律では「制作公表者」と呼んでいる。
騙され(ているはずの)役の女の子は「出演者」と呼ばれている。
それぞれの定義はこうだ。
AV新法ではこのような定義のもと「制作公表者」を加害者として、「出演者」を被害者としている。そして「制作公表者」に義務を課し、彼らに対する諸々の権利を「出演者」に与えることで「制作公表者」に負担をかけるという構成になっている。
では「RYO&YUU」の2人は、どっちが被害者なのだろう?
ライター業、連絡はDMでどうぞ。匿名・別名義での依頼も相談に乗ります。 一般コラム・ブログ・映画等レビュー・特撮好き。