【歌舞伎町シャーロック】
2019年10月から翌年3月まで放映された、Production I.G.製作のオリジナルアニメ作品。
コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズの登場人物をモチーフとした主要キャラクター達が、現実の新宿歌舞伎町をモデルとした架空の街「新宿區歌舞伎町」を舞台に活躍する犯罪もの。
作家の李琴峰が下記ツイートでバッシングした。
ちなみに本作のイメージイラストを見てもらいたい。これである。
ニューハーフらしき人物が左はじに映っているが、彼が李氏の言う「心が歪んだ変態の連続殺人犯」なのではない。本作キャラクターの複数はコナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズから名前を取られているのだが、このニューハーフはハドソン夫人である。
本作公式サイトのキャラクター紹介ページにはこうある。
ホームズのハドソン夫人と同じく、主人公の味方であり善良な人物だ。
李氏が糾弾しているのは、作中の猟奇殺人犯「切り裂きジャック」の正体である「穂刈マキ」というニューハーフの登場人物であると思われる。
しかしハドソン夫人が存在する以上、本作の描写は、トランスジェンダーであろうと良い人もいれば悪い人もいる。突き詰めて言えばそれだけのことである。
もしそれがいけないのなら、心が歪んだ少年犯罪者を登場させることは少年への偏見だからアウトであり、日本人男性を猟奇殺人犯として登場させることは日本人男性への偏見だからアウトになるだろう。
本作はアニメ作品である。
「アニメおたく」は1989年の宮崎勤事件以来、ドラマや小説などでも特に「変態」「猟奇殺人犯」として描かれることの多い属性であった。
しかし彼らはフィクションはフィクションとしてそれらの創作を受忍してきたし、他者の創作表現の自由を尊重してきた。
同じ受忍を、アニメ製作者が他者(今回はたまたまトランスジェンダー)に求めてはいけなかったのだろうか。
参考リンク・資料:
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