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『萌え絵ヘイター弁護士・太田啓子の講演会に行ってみた』2023-07-17

 7月1日、武蔵野商工会議所で開催された、われらがツイフェミ弁護士・太田啓子の講演会「これからの女の子・男の子たちが生きる社会に向けて」に出席してみた。
 ちなみに私が太田氏の講演会に行くのは初めてではない。今年の2/5にWith Youさいたまで講演したときにも行っていたりする。ちなみに内容はほとんど変わりなかった。
 
 さて、配布資料を引用しながらレビューしていこう。
 資料はパワポ4枚を1頁にまとめられている。御覧の通り、1頁目は大半が自著『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』の宣伝である。

本講義の配布資料(1頁目)
以下、ほかに記載ないかぎり同資料から。

 なので、めくって2頁目からいこう。

 ここで引っかかるのは正しい。
 まず①の主張は「男性もジェンダーバイアスを押し付けられている被害者だ」という主張であり、ここから「男もフェミニズムに協力すれば利益になる」という勧誘へとつながっていく。
 しかし、②になると男性は一転して、被害者どころか特権者の立場に祭り上げられ、「お前は特権側で、被害者の気持ちはわからないんだから全面的に従え」となる。これが講演の後半部分になる。

 このいっけん矛盾した2論に通底しているのは、要するに「男は女にとっての都合のいい兵卒たれ」ということなのだ。

 同じページの残りの部分も見ていこう。

 こちらは太田氏の比較的弁護士らしい一面が見えており興味深い。ようするに太田氏は離婚弁護士なのである。
 しかし、太田氏のアニメ作品や広告への感想を見るに、そもそも太田氏の感想である、という時点で濃厚な色眼鏡が想定されてしまう。
 モラハラ男が言うという「弁護士が妻を洗脳している」というのも、言いそうではあるが妻側弁護士が太田啓子なら「ありうるのでは……」と思ってしまうのは私だけだろうか。

 次のページでは、見慣れた文字列が目に飛び込んでくる。

 出た! ジェンダーギャップ指数!!
 そして出た! 男女賃金格差!!

  もちろん、ジェンダーギャップ指数以外にも国家間の「男女平等さ」を計る指数が複数あることや、ジェンダーギャップ指数自体の測定方法の欠陥、日本の数値の足を引っ張っているのが政治・経済進出という「女性が自主的に何とかする部分」がポイントであること、どう考えても日本より女性が人権的に遇されてなさそうな発展途上国が幾つも上にあることの理由といった、さまざまな問題点については一切語られない。
 ただただ、ジェンダーギャップ指数の低い日本は悪、ということである。

 次の頁も同じような話であり、「女性は労働市場で差別されている、経済弱者である」的な話が延々されるのだが、ついぞ「そもそも女性が賃金より短く楽な勤務を求めている」実態といった反省的な指摘はまるでなかった。

 太田氏は離婚訴訟を多く担当している人なので、妻のその後の生活にかかわる経済問題という現実を、強く意識してしまうというのは分かる。
 が、それならそれでもうちょっと女性側の労働意識の低さに関心を持ってもいいのではなかろうか。

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