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『サイゼリヤに怒る彼女達』2022-02-11

 ファミリー向けイタリアンレストラン「サイゼリヤ」がまたも物議を呼んでいる。何度も繰り返されてきた争いで「デートで食事する店にサイゼリヤは適当か」というものである。
 アクセサリーブランド「4℃」を女性へのプレゼントに選ぶのは適切か、と並んでTwitterでは繰り返されている議論だ。

 ちなみに4℃については昨年すでに「白饅頭」こと御田寺圭氏や「会計士じゃない人」小山晃弘氏が非常に的確なnote記事を挙げているので紹介しておこう。

 両氏は4℃の実際の業績や、より若者向けのSNSでの扱われ方などを挙げて、ツイッターでの4℃叩きがその女性ユーザーの年齢層に強く影響されていることを指摘している。小山氏が端的に指摘しているように4℃叩きの急先鋒に立つのは「おばさん」「風俗嬢」だという。

 サイゼリヤ叩きにも似た傾向がある。
 両者に共通しているのは、イタリア料理店とアクセサリーブランドというそれぞれのジャンルでのコストパフォーマンスの高さで、それゆえに多くの人に親しまれていることだ。そしてツイッターでの扱われ方も、ささやかな幸せを楽しむ善良な人々に愛されているブランドに「金に目の眩んだ歳のいった独身女性」が噛みついている...…という構図が見事に共通している。

 今回の戦いの火蓋は、イラストレーター・漫画家の【rioka】氏が1月19日に投稿したツイッター漫画を、フェミニストがバッシングしたことで切って落とされた。この件については拙稿『センサイクロペディア』に項目があるので参照して頂きたい。

 その炎上が冷めやらぬうちに、別のイラストレーター・クレハ氏がまたイラストを投稿して再炎上したというのが今回の「サイゼリヤ論争」の大まかな経緯である。

 なぜサイゼリヤなどがこうした叩きを受けるのか。
 それは安いからである。

 これは経済的弱者である男性に対する女性の嫌悪の情――ネットミームを借りれば【負の性欲】に根差すものなのだ。

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