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 他に類を見ない珍獣が多種棲息していることで高名なエクアドル共和国領の諸島。転じてビジネス用語として、機器などのシステムが国内独自の発達を遂げ、海外市場との互換性をなくすことをも意味する。

「ポリコレ」を推進する人々によっては、ポリコレに従わない日本の自由な表現風土を侮蔑する意図で使われる。

 他国の、しかもいわゆる「第三世界」や「開発途上国」に類し、有色人種が多数を占めるエクアドルの地名を、侮辱のための比喩に使って喜んでいるのである。

 このこと自体に、いかに彼らが他者尊重の意識が本心では欠落しているかが如実に現れている。
 
 さてそれでは「ガラパゴス」化していない「世界で通用する」作品の例として彼らが挙げるものはなにか? それは決まってハリウッド、特にディズニー作品である。

 しかし実際にはディズニーはじめハリウッド映画は、世界の様々な物語をアメリカナイズし、大資本による美麗な映像で演出することによって成功を繰り返しているのである。すなわち原作である物語自体は、ポリコレなど影も形も無かった大昔の、ジェンダーロールにまみれた物語であっても全く構わないのだ。
 そもそもコンテンツにおいては差別化が重要であり、一般に人が外国製品に求めるものはその独自性である以上、当然のことである。『プリンス・オブ・エジプト』は旧約聖書(すなわち中東の神話)が、『美女と野獣』はフランスの民話が、『ポカホンタス』はアメリカ先住民との実話が、それぞれ元になっている。

 ディズニーやハリウッドの成功は「海外市場で売りたければ海外向けにしたバージョンを作れば足りるのであって、原作コンテンツの時点でポリコレに従う必要はまったくない」ことをむしろ証明している。

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