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 アメリカを代表するポップアーティストであるロイ・リキテンスタイン作の油絵。1965年作品。

 2015年1月にニューヨーク・マンハッタンにある世界的オークションハウス「クリスティーズ」の表通り沿いショーウィンドウに展示されていたのを【旭日旗】だとして「ニューヨーク韓国系保護者協会」が噛みつき、抗議と展示中止要求の手紙を送る予定だと報道された。

 横尾忠則氏の【暗黒舞踏派ガルメラ商会】と同じ1965年の作品だが、これも2010年代になってから韓国人の攻撃に遭った理由は、やはり「韓国の旭日旗バッシングは2011の奇パフォーマンス以降」という定説を裏付けるものと言えそうである。

さらに衝撃的なのは、この作品がすでに3カ月以上も展示されているということだ。
この情報を提供した韓国系米国在住者は「マンハッタンのど真ん中に戦犯旗が登場するなんてあ然とした。
韓国系コミュニティーはクリスティーズに日本の戦犯旗に関する問題点を伝え、展示を中止させなければ」と強調した。

2015年1月22日『朝鮮日報』

 3か月のあいだ、韓国系の人が誰もクリスティーズの前を通らなかったのだろうか?

 そうではない。
 これはただの実際の日の出をリキテンスタインが描いたものであって、日本の軍旗とは何の関係もない。
 一人が騒いで始めて他の者も「話を合わせた」だけなのである。

 ちなみに実際には3か月ではない。
 作品の公開から50年である。

 50年の間、様々な場所で公開されてきた本作を見ても韓国(在外含む)の人々は誰も何も思わず、2011年の奇パフォーマンスに話を合わせて「旭日旗は悪」ということにするまで45年、そこから5年かけてこの馬鹿げた「人工マナー」が、まったく関係のないリキテンスタインに適用しようとする者が現れるまでさらに5年かかった。それだけの話である。

 大抵の「差別表現批判」はこのようなタイムラグを伴って生まれる。
 それはこうした批判が「被差別層」の真の感覚ではなく、極端に奇矯な1名が叫んだことを「運動」が利用するというのがプロセスの実態だからである。

参考リンク・資料:

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