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【税務調査編②】初めての税務調査は無予告調査!?

税理士・公認会計士ひとしです。このNOTEを開いていただきありがとうございます。前回の税務調査編②に続きを投稿しようと思います。


①なぜ無予告調査だったのか?

税務調査編①で投稿した通り、税務調査は一般的に事前通知がされ、無予告になるからには相当の理由があります。今から考えると無予告なのも、それなりの理由がありました。その前提として、今回の税務調査対象会社の特徴を述べたいと思います。
調査対象会社:現金商売の小売店(売上は現金のみ)
売上規模:数千万円(億はない程度)の規模
店舗数:1店舗のみ
上記、条件を当てはめると現金商売で1店舗でそれなりの売上規模であり、調査の対象としてはもってこいだったのです。
一応、補足しておくと、その会社は過去に重加算税を課されたことはありません。むしろ前回調査は10年ほど前であり、その時はなんと、申告是認、つまり、なんの指摘もなかったのです。
また調査官に選定された理由を問い詰めると、なんと内偵調査も実施していたようです。ここでは、内偵調査でどのような事実を把握していたかは、明示しませんが、要は「売上が結構どんぶり勘定で計上されている」とあらかじめ心証を持っていたようです。
それにしても過去に重加算税も課されていないのに、いくら現金商売だからって内偵調査も実施し、無予告調査を実施するなんて、税務署って恐ろしいですね。。

②実地調査の内容

税務調査編②で投稿した通り、私は初めての税務調査立会でした。また、税理士業務を始めてまだ1カ月くらいしか経っていなかったため、勝手もよくわかってませんでした。(もっと勉強しとけばよかった。。)
税務調査は以下のような感じで実施されてました。
■無予告調査ならではの現金実査
■売上集計プロセスのヒアリング、売上関係書類のチェック
■売上現金(つり銭含む)の管理方法
■売上計上(経理処理)方法のヒアリングと関係書類のチェック
■店舗内の視察
なお、余談ですが、よく税務調査では、社長の趣味等のプライベートなことを聞かれることも多いと思いますが、そのようなヒアリングは一切ありませんでした。もう売上に絞った調査であることは、明らかでした。
なお、余談ですが、税務調査といえど、やっていることは、大したことないなという印象を受けました。
公認会計士であれば、税務署側が知りたいこと、立証しようと思っていることは容易に想像できました。会計士業務に当てはめると、内部統制の拠点往査や子会社往査、IPOのショートレビューのように、まず、事実関係をヒアリングし、その関係書類の閲覧といったところでしょうか。
税務署は、銀行等の外部情報も事前に入手していますし、ずるいなぁと思いました。

③ヒアリングが進むにつれて冷や汗が。。

繰り返しになりますが、私はまだ税理士業務を始めて、1カ月程度しか経っていません。完全に言い訳になりますが、今回調査に当たった会社に関しても1回訪問したのみで、記帳も事務所の事務員が行っていましたので、会社理解はほとんどしてませんでした。社長は、税務署員のヒアリングに関して、正直に回答し、私が知らなかったこともいっぱいあって、逆に色々知れてよかったです。ですが、社長の説明を聞いてく内に、これはまずい。。と思いだしました。この売上計上方法はまずいな。。と思い冷や汗が出てきました。。

④結局、1日目の実地調査は午前中で終了

1日目の調査は午前中で終了しました。その際に大量の資料をもってかれました。今考えれば、それも私の失態でした。資料に関しては、必要な部分をコピーしてもらうか、その場で見てもらうべきでしたね。反省です。
税務署員からのある程度の問題点を指摘され、それは私も納得していました。まぁこれはある程度の追徴は仕方ないなぁと思ってました。

⑤調査2日目

調査2日目は、1週間くらい空いて実施されました。これはなにかいやな予感がすると思いましたが予想は的中。1日目に税務署が持って行った書類類に大量の付箋が付けられており、それに対して社長にヒアリングが実施されました。それに素直に答える社長。私は嫌な感じを受けました。というのもその大量に付箋が付けられた書類は、売上計上の直接的なエビデンスではないものの、そこから売上を推定しようと思えば、推定できるような資料でした。これは、もはや売上計上漏れを検証しに来ているなとはっきりわかりました。とはいえ、そんなもので、多額の売上計上漏れを指摘出来るはずがないと心の中で願いました。

⑥調査3日目

調査3日目は、また数日を置いて実施されました。そして3日目の調査が終わり、ここまでの調査の現況が伝えらました。
なんと、「売上が3年間で1,200万円程漏れてる可能性があります。」と調査官に言われました。
私は凍り付きました。はっ?いくらなんでもそれは多すぎでしょ。確かに売上計上方法に問題があるとは認識していたが、「そんなわけないでしょ!」と調査官に言ってしました。続けて「どういった根拠でその数値が出たが教えてください。」と伝えました。それに反論するかのように、調査官も「根拠資料はお見せします。また付け加えさせてもらうと、売上計上漏れの場合、社長への認定賞与になります。加えて、重加算税もかかります」と言われ、さらに凍り付きました。私も腹が立ったので「色々検討されているのは、わかりますが、到底納得できません。まずは、そちらの主張を整理して教えてください」と依頼しました。

といった感じで一旦、実地調査は終了しました。(当然、守秘義務があるので、所々ぼやかして書いているのはご承知置きください。)
ここから私の反論が始まるわけですが、それは監査法人自体の監査経験がものすごく役に立ちました。ここから先は、またの投稿としようと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。

税理士・公認会計士ひとし






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