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インターン生向け勉強会を開催しました。


先月、地方議員が受け入れている学生・ママさんインターン生に向けて、「ひとり親家庭について知ろう。当事者議員と話そう」と題し、勉強会を開催しました。
当日は地方議員4名を含む、27名の参加がありました。
発起人である田畑直子千葉市議から、当ネットワークの設立目的や活動実績をお話ししたうえで、「ひとり親家庭の現状と課題、新型コロナ禍での影響、更に強化しなければならない支援」について、講演し、質疑応答を行いました。
その後、グループに分かれて、ワークショップを実施。ひとり親家庭について、「初めて知ったこと・足りないと感じた支援」「自分が議員だったら、どんな支援をしたいか」を発表してもらいました。

「初めて知ったこと 一番足りないとおもったことはなんですか」の問いには
・経済的支援が行き渡っておらず、精神的支援までたどり着いていないこと。
・社会の理解
・(父子家庭の)死別の割合
・離婚前支援の必要性
・父母で収入格差が大きいこと
・離婚をする前から養育費の手続きをしないとスムーズにお金が得られないこと
・離婚前相談を行っている自治体があるという事。
・父子家庭の存在
・ほとんどのことを初めて知りました。

「議員だとしたら、どんな支援をしたいか」という問いには

・突然の困りごとにも対応できる預かり先を公的に提供すること。
・父子家庭の状況把握・コミュニティづくり
・関係部署の連携を可能にする仕組みづくり"
・メンタルケア
・他自治体との連携しての支援体制の再編
・3世帯一緒に住む家庭には補助金などを出す政策
・養育費の回収代行、離婚前の相談
・学童の拡充
・ベビーシッターの拡充
・経済面の支援
・相談窓口をもっと広く知ってもらうための活動。などの意見がありました。

また質疑応答(一部)では、

・ひとり親家庭になって良かったことはどんなことですか?婚姻関係や同居を維持したまま、つらい思いを味わっている方々もおられるはずです。そんな方々へのアドバイスを教えてください。
→イレギュラーな仕事のため、配偶者に迷惑をかけることなく、自分のペースで生活の維持ができますが、頼れる存在の重要性にも気付かされます。子どもから感謝され、成長を見続けられることにも励まされています。当事者同士のつながりも理解しあえありがたいです。 
離婚できず、つらい思いをされている方がいたら、状況に応じて周囲や行政に相談をした方がよいと思います。どこへ相談したらよいかわからない場合が私達、議員にご相談いただければ、必要な窓口へおつなぎしますし、サポートをします。自分自身が辛い状況でこどもと接することは、子どもにも精神衛生上よくないと考えます。何らかの離婚に踏み切れない要因があると思いますので、そこを解決する手助けについて相談をすることが必要です。私達も離婚前後の支援について、行政の支援制度を充実する必要があると感じており、進めています。
(DV等、精神疾患等、お子さんの悩みに関しては、行政や専門の相談ダイヤルがありますので、専門的な相談・支援を受けることをお勧めします。)
ひとり親になったあとは、困ったら、頼ること、自分を責めないこと(行政でもよし、友人でもよし。ひとりで抱え込まない。特に子育て)、少しずつでも、経済的に自立できるように準備すること(すぐには難しくても経済的に余裕があるだけで心に余裕ができます)を心掛けていただければ。

・仕事と子育てとの両立において、最も必要な支援、支えられている制度や存在は何か知りたいです。
→公的なものでいえば保育園です。こどもが小学校にあがると学童を利用します。また保育園や学童に預ける時間が終わった夜に仕事がある場合や土日はファミリーサポートという自宅に地域の方がお世話に来てくれる行政支援(事前登録制・有料)を利用するほか、自身の親や保護者の仲間に頼ることもあります。公務以外は控えることもあります(夜の会合や飲み会などのお付き合い、朝の駅頭活動の回数や土日の地域イベントへの出席など。)子どもの行事は公務が入ってしまう場合もありますが、調整します。

ひとり親で子育てされる方は年々増えつつあると感じていますが、実際に暮らしにくさを感じたことはありますか?
→経済的に苦しいことは共通だと思います。またパートナーがいないため、相談相手がいない、頼る人がいません。自分が病気になった時に、家事や育児を代わりにする人もいないなど、「代わりがいない」ということも大きいです。世間からの理解も不十分で、シングルマザーというと、「身勝手。こどもがかわいそう」などと捉えられることが多く、離婚や未婚である要因を聞く人もいるなど、プライバシーの侵害で傷つくこともあります。子どもへの影響も日々、気にしています。

・1人親家庭の支援制度で知っておいた方がいいこと、1人親家庭について教えてもらえる窓口や団体自治体が行う支援策を多くの人に周知してもらうためにはどうすればいいと考えていますか?
→ひとり親になる前(離婚前、未婚の場合は産む前)に情報をできるだけ収集しておくとよいと思います。何の支援があるか、離婚後は精神的にも、生活的にも、負担がかかるので、離婚前にできること、知るべき知識を確認しておくと、混乱がすこしは回避できます。養育費のことなどはその後の生活にも影響しますので、事前に取り決めをすることが重要です。各自治体には離婚に関する相談などを実施しているところもあります。制度周知については、特定の人に向けて、というのは難しいため、子育て世帯へのお知らせをするとともに、離婚届の「養育費の取り決め」「面会交流の取り決め」のチェック欄の有無から相談窓口の案内につなげられる方策を取り入れてもらえるよう自治体に働きかけています。


・議員さんだからこそ、ひとり親家庭で苦労されたことがあれば伺いたいです。
→プライバシーを詮索されがちであり、ひとり親である理由を聞かれたり、子どものプライバシーの侵害になるような言動を受けることもあります。また選挙の際など、家族の協力を求められますが、協力してくれる配偶者はいませんので、苦慮します。議員は男性が多いため、男性の活動量やお付き合いが基本となっているほか、議会活動・日常業務も選挙も朝晩・土日に関わらずあり、 子どもとの時間を十分に取れないことも多々あります。

・現在の支援は十分ですか?解決のためにどのような道筋を踏んでいかなければならないと考えますか?
→十分でないことが多くあります。非常勤の人が多く、経済的に困窮している家庭が多いので、就労支援の充実が必要です。国の制度は実績が上がっておらず、地域の雇用先の確保・フォローアップ体制の強化が必要です。また子どもや保護者の心の支援や居場所も必要です。相談体制・住宅確保支援・養育費確保支援・離婚前後支援についても、まだ不十分です。国に動いてもらうことも多々ありますが、自治体で実効性のある制度にしていく工夫や周知徹底も必要です。
・私たちが一人親世帯に出来ること何ですか?
→ひとり親家庭であることに偏見を持たず、同情をするのではなく、尊重をしてほしいです。
 子どもの学習支援や居場所・子ども食堂には各自治体でボランティアを募集しているので、参画され、子ども達の年齢に近い皆さんから、子ども達の心に手を差し伸べてほしいです。


・子どもの支援を対象とする政策で、国に期待することはなんですか?
→子ども主体の支援が必要です。児童手当や「子育て支援」は親・世帯の支援であり、子ども自身が享受できるものがさらに必要と考えます。

・親の性別が子供と同性か否かによって困難なことは異なりますか。
→体のつくりが(実感として)わからない部分もあるので、成長過程においての性教育など。下着の選び方、生理用品の選び方などは父子家庭では、悩まれると思いますし、母子家庭の場合は、男の子の性や思春期について分かりません。将来設計や進路の相談も異性だと十分であるか不安です。父親と母親の役割は違うと思いますが、両方の役割をしなければならないということを意識していますが、父親の役目は十分にできていないと思います。

と回答しました。(当日十分にお答えできず、書面で回答)

参加者の方々の感想では、
・多様なニーズに行政の支援が対応できていないというお話が印象的でした。これから、家族の形もますます多様化することが予想される中で、いかに先を見越して当事者が求める支援を提供できるかが重要であると感じます。

・当事者の方のお話を直接伺う機会は普段ないので、あまり知らないコミュニティの事情を学べて有意義でした。視野が広がったように感じます。

自分の親はひとり親ではなく、自分の周りにもそういう家庭がいないので、ひとり親家庭のことについてあまり知らなかったが、今回この勉強会に参加したことでよく知ることができた。

・自分がもし1人で子供を育てる立場だったらと考えながらお話を聞いていました。日本は、まだまだ離婚や一人親にポジティブな印象を持っておらず、支援が行き届いていないことがわかりました。

・ひとり親というと母子家庭、経済的支援が必要という認識しかなかったのですが、父子家庭や現時点での支援を伺うことができました。実際、母子家庭の方が父子家庭と比較して圧倒的に多かったのですが、女性は子育て・男性は働くというジェンダーの社会規範が強く影響しているのではと感じました。 との感想を頂きました。


学生インターンの受け入れは、夏休み(8月~9月)、冬休み(2月~3月)に実施されていることから、今後は定期的に開催し、若年層への理解のため、引き続き、開催できればと考えています。ご参加いただいたインターン生、議員の方々、ご紹介いただいた議員の方々、ありがとうございました。


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