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障がい児を育てるひとり親さんにおすすめ!「心身障害者扶養共済制度」

障がいのある子を育てるシングルマザーさんから、たくさんのご相談をお受けしているのですが、みなさん「現在の家計についての悩みもあるし、親なきあとのお金についても心配…」と口をそろえておっしゃいます。そんな方にぜひ知って頂きたいおすすめの制度、それが「心身障害者扶養共済制度」です。親なきあと対策をしつつ、節税も出来ますよ!
(筆者:久保田)

「心身障害者扶養共済制度」とは?

子どもに障がいのある保護者が入れる共済(助け合いの保険のようなもの)です。この共済に加入しておくと、自分の死後、1口につき毎月2万円ずつ、子どもが亡くなるまで共済金が支払われます。障がいのある子1人につき2口まで加入できます。
国が運営している制度なので、加入窓口は各自治体の役所の障害福祉課です。保険ですので、健康状態に関する告知が必要になります。
掛け金は加入する人の年齢によって変わります。終身払いではなく、65歳以降で20年の掛け金支払期間があれば、そこで支払いは終了します。

心身障害者扶養共済制度

メリットはどんなところ?

なんといっても、子どもに毎月定額を渡していってくれることです。大金をいっぺんに手渡すことで、使い過ぎてしまったり、騙されて取られてしまったりといったトラブルを防ぎます。
本人が重度の障がいで手続きできない場合は、支援者が請求することもできます。
また、本人が生活保護を受けている場合、一般的な生命保険や相続だとその金額は収入と認定されて、生活保護と相殺されてしまいます。しかし、この共済は障がいのある方専門に作られたものなので、生活保護を受けていたとしても、上乗せして受け取ることができます。

節税効果はどれくらい?

たとえば、45歳の人がこの共済に加入した場合、月の掛け金は17,300円、年間で207,600円を支払うことになります。この方の手元には、11月頃に「共済掛金の控除証明書」のハガキが届きますので、それを勤務先の総務部に提出して年末調整するか、もしくは確定申告すると、この207,600円は「小規模企業共済等掛金控除」の対象になります。iDeCoをするのと同じ、と言うとピンと来る方もいらっしゃるかもしれませんね。

保護者の方の年収によりますが、最低税率の方であっても、所得税5%・住民税10%の合わせて15%分、207,600円×15%=31,140円が毎年節税できることになります。掛け金支払終了の20年間と考えると、62万円になりますので、かなり大きな金額ですよね。
小規模企業共済等掛金控除は、児童扶養手当の計算にも関わってきますので、この共済に加入することで、少し児童扶養手当が増える方もいらっしゃいますよ。

デメリットは?

良い点がたくさんあるこの共済ですが、デメリットは「掛け金を払えなくなって途中で止めても、ほとんど解約返戻金は帰ってこない」というところです。ただ、保護者が住民税非課税世帯になったら掛け金が半額免除になったり、生活保護世帯になったら掛け金が全額免除になるなど、続けやすい仕組みは用意されています。

また、障がいのある子が自分より早く亡くなってしまった場合も、わずかなお金しか返ってきません。自分が思わぬくらい長生きした結果、子が共済金を受け取れる期間が短くなってしまうこともあり得ます。
ただそれは、自分たちが受け取れなかった分が、他の障がいのある子に使ってもらえているということですので、私は納得できています。

あまり周知されていない商品ですので、初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。障がいのある子を育てている方にメリットがたくさんある商品ですので、ぜひ検討してみてくださいね!

厚労省「心身障害者扶養共済制度」サイト


ひとり親世帯向けオンライン無料相談会

一般財団法人ゆうちょ財団では、ひとり親家庭等を対象にオンライン無料相談会を開催しております。

《今後の開催について》

●11月16日(水)、27日(日)、12月14日(水) 相談員:なかじま(FP)
分 野:教育費、ライフプラン、離婚前相談、開業支援など

●11月19日(土)、12月17日(土) 相談員:中森(FP)
分 野:家計管理、公的支援、介護、不登校など

●12月6日(火)相談員:奥田(弁護士)
分 野:債務、離婚前後の生活費、生活保護、労働など

●12月11日(日)相談員:久保田(FP、社労士)
分 野:障がい、老後資金、親なきあとなど

<1人40分、原則1回/年>
※状況や環境が変化した方、1年経過した方の再相談を受付しております。
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