201007nikki ものづくりとKちゃん

Rちゃん家のダイニングテーブルをつくることになった。自分だけで作ること、誰かのために作ることはおそらく初めてだ。


手を動かしながらものを考え、かたちにしていくことに憧れがある。前にずっと一緒にいたKちゃんは、身体の使い方がとてもスマートで、そんなところが好きだった。動きに無駄がなかった。自分もそんな風になりたいと思っていたけど、どうしても言葉が先行してしてしまい、言葉と動きを合致させることが出来なかった。Kちゃんがものをつくるとき、私はよくその手伝いをしていた。道具の置き方、身体の動かし方、片付けるタイミング。調子の良いときのKちゃんは完璧だった。逆に、調子の悪い時のKちゃんは最悪で、頭も身体も全く動かず、煙草しか吸っていなかった。今思うと、私とKちゃんは、親方と弟子みたいな関係だった。(本当は恋人)
5年間。私は、道具を触らせてもらえなかった。心配症なKちゃんの前では、丸ノコもインパクトもなかなか手に出来ない。ただただKちゃんの動きを見ていた。そのため、Rちゃんのテーブルを自分で作るときは嬉しくてしょうがなかった。頭の中が停滞することなく気持ちよく流れていく。と思ったら、突然川縁から石ころが投げられてはっとする。泳ぐのは得意なんだ。よけることもあれば、うまくあたるときもあるし、いたいっ!てときももちろんある。そうそう、この感覚。楽しむことを思い出す。頭の色んなところで色んなことが動き出す。


後悔なんてなにもないし、ああこれでよかったんだ。と実感する。

終わったことぐらい美化させてくれ。ありがとう、お世話になりました。

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